M.Nさん/プラハサマーアカデミー

M.Nさん プロフィール――簡単な自己紹介と経歴を教えていただけますか? M.N 様:音楽大学卒業後、20 年ほど音楽教室でピアノの教師をしています。 ――今まで国内外の講習会に参加したことはありましたか? M.N 様:ここ 2、3 年は日本でも室内楽のセミナーやモスクワ音楽院の先生のマスタークラスのレッスンも受けたことがあります。海外は初めてでした。 ――海外に出ようと思ったきっかけはありますか? M.N 様:プラハサマーアカデミーというものを知って、このような勉強の場があるのだということ、そして年齢制限が無く、室内楽の枠があったというところです。自分がここ 2、3 年室内楽を勉強していて、室内楽を自分が楽しめるようになりたいという気持ちがありました。共演者も講習会側で用意いただけることも大きかったです。 ――講習会の参加者数はどれくらいでしたか? M.N 様:室内楽は私ともう一組ぐらいだと思います。全体としては 20人弱でした。 ――講習会はどんな内容でしたか? M.N 様:初日はオリエンテーリング後、すぐに練習時間が充てられていました。室内楽は2時間、ピアノソロは 3 時間の練習時間です。練習は毎日させてもらいました。朝の 9 時から夜の 8 時の間で、その中で早い者順に予約をするというかたちでした。 ――ピアノの質はいかがでしたか? M.N 様:私に割り当てられた練習の部屋は、ヤマハでした。1 回だけ私のルームメイトが使っていた別の練習の部屋はペトロフが置いてあって。ペトロフはペダルのコントロールがすごく難しく感じました。ルームメイトも「弾きにくいね」と言っていました。 ――メーカーの違い、ということですよね。 M.N 様:はい。レッスンを受ける部屋にはファツィオリが置いてありました。こんなに一度にいろんなピアノを弾くことができて楽しかったです。 ――室内楽(ピアノトリオ)のメンバーはどのような方でしたか? M.N 様:バイオリンの方は現地に住んでいる日本人で、現地の楽団に所属していると聞きました。チェロの方はチェコ出身で、フリーで演奏されている方です。 ――実際に合わせてみていかがでしたか? M.N 様:いや、本当にこれはこのサマーアカデミーに参加してよかったなと思ったんです。 どういうことかといいますと、最初に何の打ち合わせもなく合わせる時間が用意されていましたが、その時間で合わせたとき、私は非常に調子が狂ったんです。それは、行く前に自分で用意して行ったことと、そのバイオリンの方もチェロの方も、それぞれにこれから演奏しようとしている曲について感じていることが違っていたのです。 ――曲は何を選ばれていましたか? M.N 様:アレンスキーのピアノトリオです。速度感もだいぶ違いました。私は師事している先生から、私はどちらかというと美しい曲を弾くと速度緩めになるから、そこに気をつけてと言われていました。 そういう心づもりでいたら、バイオリンの方のほうが私以上に幅広く速度を感じていたんです。 初回のレッスンはどうなるんだろう、と心配になりましたが、レッスンが始まったら、サマーアカデミーでの先生から各奏者にアドバイスをいただけて、3 人が同じ考えのもとでだんだん演奏できるようになり、ホッとしました。 ――いきなり全然違う考えの人とあわせをすることあまりない経験ですよね。 M.N 様:そうですね。日本で今まで参加していた アンサンブルは、普段はプロの奏者の方だったので、気づかないところで私は助けられていたんです。でも今回の場合、3 人のうちの誰かが指導する立場ではなく対等なので、対等だとこのようなことが起きるんだなということがわかりすごく勉強になりました。 ――レッスンの言葉は何語でしたか? M.N 様:言葉はチェコ語です。現地に住んでいる日本人の方が通訳をしてくださいました。 ――2人の先生からレッスンをうけられたのですよね? M.N 様:はい、前半はピアノ、後半がチェロの先生でした。ピアノが 3 回でチェロが 2 回でした。 ――どちらもチェコの方ですか? M.N 様:はい。ピアノの先生とチェロの先生ではおっしゃることが違っていて、ピアノの先生はすごく正確さを求められているなという印象です。その正確さがあって初めて相手と演奏上のコミュニケーションがとれるというか。ですが後半、チェロの先生のところに行ったら、「もっと自由にやって!」と言われて…またそこで拍子抜けしてしまいました。その 2 人の先生の狭間で私はどうしたらいいのか…と葛藤がありました。レッスンが終わったあと、ぐったりして1 日中、あとは部屋の中で転がっていたという日もあったぐらいでした。 ――大変だったのですね。 M.N様:でも、転がりながら考えてみるうちに、ピアノの先生のおっしゃることもチェロの先生がおっしゃることもどちらも必要で、両方を上手く融合できれば良いのではないか、という結論を出せて、ちょっと気が楽になりました。最初は悩みましたけど、自分なりに結論にたどり着く事ができて良かったです。 ――それはよかったです。先ほどの「正確さ」というのは、楽譜に書かれていることに忠実であるという感じなのでしょうか? M.N 様:はい。速度もキープできるようにしたいし、キープすることによって拍子感というのが 3 人の中でハッキリするとか、そういうことだと思うんですね。室内楽では部分によって、主導する楽器が移り変わっていくので、相手にちゃんと合図を送れるようにすることが大切だと、先生が教えてくださいました。 ――日本でのレッスンとの大きな違いは何ですか? M.N 様:「それぞれのパートがその部分によって役割がある」具体的に「室内楽の考え方」として、お話を聞けたのはプラハサマーアカデミーでのレッスンが初めてだと思います。 ――「具体的」というのは例えばどういう感じなのでしょうか。 M.N 様:私がレッスンでお話を伺ったのは、全体的にでは無く、部分的にだと思うのですけど、この部分では、とにかくピアノの「バス」の刻みを弦楽器の人たちが聞いているから、そこがハッキリしないと弦楽器の人たちは出にくいとか、演奏しにくい、ということです。私の感覚だと、ピアノソロではないから、ピアノばかりが音を大音量で鳴らしてしまってはいけないという気持ちがあり、もしかすると 3 人で合わせるには、私の元々の音量が足りず、「バスの刻み」が伝わらない状態だったのかもしれません。 ――なるほど。発表する場はありましたか? M.N 様:はい。最終日にプラハサマーアカデミーのホールでした。 ――どれぐらいのキャパでしたか? M.N 様:規模的にはサロンぐらいかと思います。プラハの建物全体的に言えると思うのですが、とにかく天井が高いんですよね。なので、そんなに思いっきり鳴らさなくてもすごく響く感じですね。 ――弾いたときの気持ちよさも日本とは違いましたか? M.N 様:そうですね。特に練習しているときは、弾き易いピアノだったということもあると思うのですけど、音がきれいに聴こえるんですよね。すごく驚きでした。日本で練習している人たちというのはいつも狭い空間で練習しているので、音に対する感覚がヨーロッパの人とは違う、 という新聞記事を読んだことがあるのですが、これはまさにそういう感覚なのかなと思いました。 ――実際に演奏してみてどうでしたか? M.N 様:レッスンを受けている過程では、自分自身がブルーな気分になったり、いろいろ紆余曲折もありましたが、最終的にはメンバーが同じ気持ちというか、同じ考えの下で演奏できたことと、あとはお互いを聴いているということも感じられるまでになり、最後は楽しめました。 この経験を通して、日本でアンサンブルのセミナーに参加していた時は私は弦楽器の奏者(先生)に助けられていたんだということがわかりました。本当に気づきが得られた講習会でした。 ――それはよかったです。プラハはどのような場所にいきましたか? 雰囲気はいかがでしたか? M.N 様:建築家の知り合いの人から、すすめられたモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』が初演された劇場へ行きました。チェコの国は戦争の時に爆撃を受けていないので、当時の建物がそのまま残っているそうです。それで様々な様式の昔の建物がそっくりそのまま残っていると考えたら、本当に時が止まっている感じですよね。また、絵を見るのが割と好きなので、ミュシャの美術館も行きました。 ――美術館へはどのように行きましたか? M.N 様:トラムを利用したのですが、最初は迷ってしまい断念して帰ってきたんです。2 回目は行き方を聞いて移動したのですが、また右も左もわからなくなってしまって… ――ガイドブックを片手に移動されていたのですね。 M.N 様:はい。本屋さんが見えたので聞いてみたのですが、意外と英語が出来ない方も多く、 ジェスチャーで教えてもらいました。そうしたら中央郵便局に着いたのですが、そこも実は行きたかった場所の一つだったんです。郵便局の位置を頼りに美術館にも行くことできました。 ――プラハを回っていて大変だったことはありますか? M.N 様:一番大変だと思ったことは、石畳だったことです。これは私だけかもしれないですが、アスファルトと違い、足元の石畳は平らにはならされてはいないので、結構足を取られる感じで、疲れるなと(笑)。 ――宿泊先はいかがでしたか? M.N 様:日本人の方と 2人部屋でした。ちょうど私が使わせていただく前に改装したみたいで、すごくきれいになっていて、 とても真新しい感じでした。 ――ルームシェアも久々でしたでしょうか? M.N 様:そうですね。どんな感じなのかなと行く前はちょっとドキドキだったんですが、ルームメイトになった方は、私よりも年上で、しかもリピーターなんですね。もう 7 回目だとおっしゃっていて、何でもご存知で、いろいろ教えてくださいました。 ――生活する上で不便はありませんでしたか? M.N 様:全然不便なことはないです。講習会会場へも歩いて 2 分ぐらいでとても便利でした。 ――食事はどうでしたか? M.N 様:朝食はビュッフェになっていて、好きなものを選べます。毎日なるべく違った感じの食事を用意してくださっていました。 ――お口には合いましたか? M.N 様:はい。用意してくださっていた朝食が、私は一番ほっとできるというか…味付けの濃さが、朝食は割とあまり手が加えられずにあっさりとしていたんですけど、外食だと、全部が全部ではありませんが、結構味が濃いめのところもありました。 ――濃いというのは塩味が強かったのでしょうか? M.N 様:はい。はじめはちょっと驚きました。ほかの参加者の方に、「チェコは味付け濃いんですね!」とぼやいたら、「これはビールを飲ませるためだよ!」とかおっしゃっていました(笑) ――量はいかがでしたか? M.N 様:日本で出るものからしたら多いですよね。1 人で何か一つ頼むというよりは、何人かで行ってシェアするというのが基本でした。 ――講習会について話を戻すのですが、講習会は初めての方にとって参加しやすい 雰囲気でしたか? M.N 様:そうですね。プラハのサマーアカデミーのコーディネーターの方の一人が日本人でした。 ディレクターは現地の方ですけど、参加者に対してすごく配慮がある方だなと感じました。あと、プラハのサマーアカデミーに参加される方は、日本人の方が多いと思うんですね。講習会は今年で 22 回目と最後の日におっしゃっていたから、「日本人ってこういう感じだな」という心づもりがあるのではないかと思います。 ――改めて講習会を振り返っていかがでしたか? M.N 様:プラハサマーアカデミーという場は、配慮があって、参加者の立場に立つ、ということをすごく考えてくださっているところだと思います。私はとてもいい会に参加できたと思います。現地の日本人コーディネーターの方も、ディレクターも、そしてわざわざ遠いプラハまでやってくるという気概ある参加者の方達。素敵な人達に出会えたことも、私は本当に恵まれていたと思います。そういった意味でも参加して良かったなと思いました。 ――留学を通じて収穫になったなと思うことはありますか? M.N 様:全て自分が体験したこと、それが収穫ですね、音楽に限らず、音楽ももちろんですが…例えば乗り継ぎのフランスの空港で迷っていたら日本人スタッフの方が声をかけてくださったり、プラハについた後にスーツケースが見つからなかった時に飛行機で隣にいた中国の方が場所を教えてくださったり。そんな感じで、いろんな方に助けられた留学でした。 ――日本と留学先で一番違いを感じたところは何ですか? M.N 様:音楽という点でいくと、建物の空間の違いというのが一番違う点です。広くて天井の高いところを自分が体験できたことがすごく良かったなと思います。やはりヨーロッパは教会があるので度々教会の鐘の音も聞こえてきますし、そういう環境で育って生活している作曲家の人たちが、こういう世界を体感しながら生まれた音楽なのかな…とか、思いをはせるようなことはありますよね。 ――留学する前にやっておいたほうがよかったなと思うことはありますか? M.N 様:やはり言葉ですね。参加されている方は英語が思ったよりできる方ばかりでした。 私の英語は本当につたないながらも、多少は使える…という感じですが、もう少し自分のほうからも言葉が出るぐらい英語が使えれば…と思いました。 ――最後に今後留学をする方へのメッセージをお願いします。 M.N 様:迷っているようだったら思い切って行ってみたほうがいいです。自分が実際に体験するということが一番尊いと思うんですよね。だから、それは実際やらないと経験できないということなので、ぜひ経験していただけたらなと思います。 ――インタビューへのご協力ありがとうございました!

千葉琴美さん/ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジ アーロン・ コープランド音楽学校

千葉琴美さん プロフィール-まず簡単な自己紹介ということで、現在までの略歴を教えてください。留学する前までの音楽の経験は? 何歳からなさっていましたか? 千葉様:4歳でピアノを習い始め、音楽科のある高校に進学、日本の音大を卒業し、ニューヨークの大学院修士課程に入学しました。 -留学したきっかけを教えてください。 千葉様:大学在学中に一年間ニューヨークの音楽大学(マネス音楽院)に留学する機会があり、その際に素晴らしい先生との出会いがあったこと、またニューヨークという土地のエネルギーや芸術の文化に魅せられたことがきっかけで、ニューヨークの大学院進学を決意しました。 -どうやって現在の学校を選びましたか?現在の学校に決まるまでのいきさつを教えてください。また。決め手になった点はなんでしょうか? 千葉様:ニューヨークで知り合った先生の紹介で、アーロン・コープランド音楽学校を選びました。決め手は、実技はもちろん、音楽理論や音楽史など、一流の素晴らしい教授陣でした。また、市立の学校なので、学費が私立と比べて格段にお手頃です。 -どのような試験・出願書類が必要でしたか?何か書き方のコツはあるのでしょうか?また、試験の思い出、苦労話などありましたら、教えてください。 千葉様:試験は、実技と音楽理論で、TOEFLのスコアや推薦状、志望理由書など様々な書類の提出が必要です。一番苦労した点は、TOEFLの勉強や、英語で音楽理論を理解しなければいけないことでした。 -手続きで苦労した点はなにかありますか? 千葉様:手続きで苦労した点は、語学面です。また、ビザの手続きも提出書類が多く、大変でした。 -留学準備はどのくらい前から始めましたか? 千葉様:留学する約10ヶ月ほど前から、徐々に準備を始めました。 -学費はどう捻出しましたか? 千葉様:両親が経済的に支援してくれています。 -語学は日本でどのくらい勉強しましたか?現地でも語学学校に行った方がいいでしょうか? 千葉様:留学を決意してからは、TOEFLのために必死に勉強しました。アメリカの大学院に留学するにはTOEFLが必須です。現地で語学学校へ行くと、お金も時間もかかってしまいますし、海外で先が見えないと不安が増すと思います。日本で早い段階からできる限り英語を習得し、正規の学生としての進学が決まってから留学することが私にとっての条件でした。 -学校はどんな雰囲気ですか?その学校ならではの特徴は何かありますか? 千葉様:学校は、素晴らしいホールや練習室などが充実しており、とても良い環境です。また、総合大学で敷地が広く、緑も多くリラックスした雰囲気です。 -日本人はどのくらいいますか? 千葉様:日本人は、全員と知り合いになれるほど少ないです。ピアノ専攻は私だけです。 -学校の授業はどのように進められますか?日本でしっかりやっておいたほうがいい勉強などありましたら、教えてください。 千葉様:どんな授業でも、意見を求められることが多くあります。自分の意見をしっかり持ち、発言する力が必要だと日々感じます。 -先生はどうやって探しましたか? 千葉様:初めてニューヨークへ留学した際は、全くツテがなかったので、日本のピアノの先生と相談し、マネス音楽院のホームページから自分に合いそうな先生を探しました。現在は、学校で出会った先生に直接お願いし、レッスンを受けています。 -日ごろ練習はどのようにしていますか? 千葉様:毎日学校で練習しています。 -学外でのセッション、コンサートなどは行われますか? 千葉様:頻繁に行われています。 -1日の大体のスケジュールを教えてください 千葉様:朝9時ごろから夜9時ごろまで学校で過ごしています。今学期は授業は週に2日、午後にしかありません。午前中は個人で練習し、授業のない日は午後に個人練習のほか室内楽の合わせをしたり、授業の課題をしたりしています。 -現地の音楽業界へのツテはできますか? 千葉様:努力や縁次第で、何らかのツテはできると思います。 -周囲の人の学習態度に関しては、日本とどう違いますか? 千葉様:周りのアメリカ人の生徒は、授業中にとても積極的に意見を述べたり、質問したりしているなと感じます。 -授業以外はどのように過ごされていますか? 千葉様:授業以外の時間は、練習をしたり、学内での演奏会へ行ったりすることが多いです。 -日本人以外の人たちと付き合うコツはありますか? 千葉様:まず英会話力を伸ばすことです。また、堂々とした態度でいること、相手の話をよく聞くことが大切だと実感しています。 -生活費はだいたい1か月いくらぐらいかかりますか? 千葉様:私の場合は、1000ドルから1100ドルくらいです。 -留学してよかったと思える瞬間はありますか? 千葉様:ニューヨークならではの最高のパフォーマンスを見ることができた時や、様々な国の色々な価値観や考えを持つ人たちと、違いを乗り越えて友達になれた時などです。自分の世界が広がり、音楽の表現にも大きく活かされます。 -留学して自分が変わった、成長したというところはありますか?例えばどんなことですか? 千葉様:色々なことに対して、より明確な意見を持てるようになってきました。そのことによって、前よりも演奏に説得力が出たのではないかと思います。 -今後はどのような進路を考えていますか? 千葉様:日本で音楽活動をしていきたいと考えています。 -これから留学する人が、心しておかなければいけない点、アドバイスしておきたいことがありましたら、お願いします。 千葉様:強い意思としっかりとした目標を持って、でも気負いすぎずに頑張ってください。 -ご協力ありがとうございました。

淡田 理恵さん/ダーティントン国際音楽サマースクール

淡田 理恵さん プロフィール2012年 トロンボーンを始めました。中学入学です。 村上美希先生に師事しています。 -簡単な自己紹介、今までの経歴をお願いできますか? 淡田様:中学1年生から部活でずっとやってて、高校2年の春で引退して、あとは個人でやっています。 -今回ダーティントンを選ばれた理由は何ですか? 淡田様:吹奏楽がやりたくて、吹奏楽の講習ができるところを探したらダーティントンが見つかったので、そこに行こうと思いました。 -今まで国内外の講習会には参加されたことはありましたか? 淡田様:いや、初めてで。トビタテ!留学JAPANを使ったので、それがきっかけで探しました。 -トビタテは実際にやってみてどうでしたか?行く前のミーティングとかもあったと思うんですけど。 淡田様:分野が違う子とも話して、いろいろ情報交換したり。でも海外に行ったことがある子がほとんどで、結構海外のことも聞けたりとか、こういうのおすすめだよ、というのを教えてもらったりしました。 -交流会は何人ぐらい集まっていたんですか? 淡田様:そのときは500人ぐらいで。それを東京で2日で分けてやって、あと1回、大阪会場のほうで。結構多い人数でした。 -ダーティントンの講習会にはどれぐらいの方が参加されていましたか? 淡田様:全体はよくわからないですけど、ブラスだと15人ぐらいで、プラス、講習者ではないんだけど、前来ていて、合奏だけ参加という人もいて。その人たちも合わせると結構な人数になりました。 -講習会でのスケジュールはどんな感じでしたか? 淡田様:7時から朝ご飯で、9時15分からセクションで、ブラスウォームアップセッションがあって、そのあとコーヒー休憩があって、11時15分からトロンボーンの低音セクションがあって、そのあとお昼を食べて、2時からブラスアンサンブルがあって、そのあと4時半からビッグバンドがあって終わりで。そのあとは夕飯を自由に食べたりして、夜はコンサートとかもあったので、勝手に見に行ってもいいし、みたいな。 -結構長丁場ですね。体力的に大丈夫でしたか? 淡田様:楽しいからアドレナリンが出て、そんなには。一緒にいたトランペットの男の子、その子もヘロヘロでした。 -先生とかスタッフはどんな感じでしたか? 淡田様:スタッフもすごく優しくて。ベットも毎日きれいにしてくれるんです。あとは先生、Paul Archibald先生とBrett Baker先生がよく面倒見てくれたんですけど、2人めっちゃ優しくて。あまり英語得意じゃないんで、輪に入れるかな、みたいな感じだったんですけど、大人ばかりの講習会だったのでかわいがってくれて。打ち上げやると言って、カレー屋さんに行くと言われて、子どもだからちょっと遠慮したんですけど、ポールが一緒に行こうよ、みたいに誘ってくれて、一緒に行ったりもしました。 -ブラスのコースの参加者はイギリス人が多いんですか? 淡田様:イギリス人が多かったです。日本人は見なかったです。3週目に1人日本人がいたと教えてくれて。でもその人もロイヤルフィルでバイオリンを弾いている人みたいでした。 -イギリス人の方はどんな方が多かったですか? 淡田様:アマチュアのバンドでやっているとみんなほとんど言っていました。 -コンサートや演奏会は行きましたか? 淡田様:ホールがあって、そこでいつも毎日何かしらのコンサートをやっているんだけども、講習会の時期だけ講習会参加者はカードを見せればチケットなしで入れるみたいな感じで。ポールとブレッドのコンサートを。すごかったです。日本だとすごく高いお金払って見に行かなきゃいけないやつを、近くのほうで見れるんですよ。 -ホールってどれぐらいのサイズなんですか? 淡田様:ホールは、教会を改装した感じで、そんなに広くはないんですけど、近くで見れました。 -自主練習はどうされていましたか? 淡田様:学生寮を改装したホテルで、夜9時までは吹けるんです。だから、帰ってきたあとにまた個人練習したりして。それで、時間を守れば自分で好きにできるので、よかったです。 -食べ物はどうでしたか? 淡田様:日本クオリティを求めなければおいしいのかなと。 -朝はビュッフェですか? 淡田様:いつも頼めば、ビュッフェがいろいろ並んでいて、これ、と言えば取ってくれて。朝昼晩それでした。でも朝はいつも同じ食事が出ていたんですけど、クロワッサンがおいしかったです。スクランブルエッグとベーコン。あとソーセージもあったし、トマトの香草焼きみたいなものもあっておいしかったです。 -お昼はどんなものが? 淡田様:お昼は、あまり肉系じゃなくて、1回おいしそうだと思ったらまずかったんですけど、みずみずしいカボチャの中に、天かすの油ギトギトにしたみたいなやつが詰まっていて、見た目はすごくいいんですけど油っこすぎて。 -そうなんですね。夜はどんなものがでました? 淡田様:夜はチキンとか、1回牛肉とデミグラスソースみたいなやつが出たりして、夜は結構おいしかったです。あと、昼と夜は基本ケーキ出ているので、食べました。 -飲み物は普通に買えました? 淡田様:ダーティントン自体観光地だったので、水もジュースもお菓子も買えて。アイスも買いました。日本では結構飲んでいたんですけど、向こう行って水しか飲まなくなっちゃって。 -宿泊先と講習会場はどうやってに行かれてました? 淡田様:近かったので歩いて行きました。でも私が泊まったホテルじゃないホテルがもう少し遠くにあると言っていたので、そっちだと遠いかなと思いました。 -外国の方とお話するうえで上手くお話するコツみたいなものはありましたか? 淡田様:向こうの人ってすごく気にかけてくれて、ほとんど叔母さんみたいな感じで。だから子どもというか、向こうで私結構幼く見えるので、すごく気にかけてくれて、向こうからコミュニケーションを取ってくれて、それに応えればよかったです。 -今回のダーティントンの講習会に参加してよかったなと思うところはありますか? 淡田様:海外の人って、レベルが全然違うんです。普通にトランペットの楽譜をパパっと渡されて、読めちゃうし。トロンボーンと調が違うじゃないですか。それを普通に読み始めて、は?みたいな。そういうのは日本ではやらないけど、向こうだとやらなきゃいけないから、ひと段落したらそういうのも頭使っていこうと思ったし、先生が合奏中とかにここなんか違くない?って言っても反論するんですよ。いや、これは言うこと聞いておこう、ぐらいのやつも反論して。僕は間違っていない、みたいな。マジ?と思って。それでよく見たら、あ、違った、ごめん、って軽くって。そのぐらい主張しても、先生も考えるし、向こうも考えるしで、日本みたいに受け身じゃなくてすごく面白いなと。あと、いつも部活単位で動いていたので、つながりが部活の中だけだったんですけど、LINEみたいなグループがあって、それに入れてもらえたりして、つながりがちゃんとできて。ブレットとかポールとかもそれに入っているから、また来年も来なよ、とか言ってくれたりして。 -いいですね。逆にすごく困ったな、ということはありましたか? 淡田様:最初のときは、毎年やっているやつみたいで、大体いつも同じメンバーなんですよ。だから空気出来上がっちゃっていて、みんな知り合い、みたいな。どうしよう?あれ?と思ったんですけど、でも最初だけで、みんな話しかけてくれて。それで、レッスン場所が離れているんです。牧場を突っ切ったこともあったんですけど。そしたら、場所わかるか?って聞いてくれて、わからないと言ったら、じゃあ連れて行ってあげるから時間の20分前にここに集合ね、って教えてくれて。 -音楽の教え方で日本と海外の違いは感じたりしましたか? 淡田様:はっきりは言っていました。自分が習っている先生は、オブラートにつつんで、これはこうしたほうがいいじゃない?みたいな。でもはっきり言っていて。理由もちゃんと言ってくれたり。あとは、ブレットに言われたのが、スライドを上げるときに息が返ってくるじゃん?って言われたんですけど、はあ、みたいな感じだったら、いきなりピストルみたいな真似されて、びっくりしたんですけど、わかりやすくやってくれるので、よかったです。 -通訳なしでもいろんなことを吸収してきて。すごいですね。ちなみにトロンボーンってどうやって持っていきましたか? 淡田様:飛行機、2席とったんですけど、上に乗せてもいいみたいで。入る?と思ったんですけど、持ち込んだらキャビンアテンダントさんに、これは上に上げますか?手伝いますか?って言われちゃって、いや、2席とっています、ってなったので。上に上げてもいいのかな?って思いました。 -プライベートレッスンのお話を伺っていこうと思います。すごく気に入られて、追加レッスンしたいとおっしゃられて。どの辺がよかったですか? 淡田様:やっぱり、はっきり言ってくれる。今教わっている先生よりも、1回のレッスンで伸びる感覚が全然比にならなかったし、1回エチュードを吹いて、そこから気になったところを抜粋して、練習メニューとか教えてくれていたりしたんですけど、全然新鮮で、超楽しかったです。 -今後淡田さんみたいに高校生でトビタテを使いたい人はいっぱいいるんですけど、何かアドバイスがあったら教えてもらってもいいですか? 淡田様:やる気があれば。やる気と具体性があればなんとかなるかなと思いますあと、運。 -今後、講習会やマスタークラスを受けたいと思う方に対して何かアドバイスがあったら教えてください。 淡田様:英語とか私できないと思って行って、できないなりに話したので、文法とか必死に考えて話せなくなるよりも、話したら向こうも話返してくれるというか。ちゃんと話したほうが思ってて、でも英語できなくて、もうちょっと勉強していったらよかったなと思いました。向こうに行って、海外で音楽やったほうがレベルがアップできると思ったんですけど、まだ全然私、向こうに行ってアマチュアの人にも面倒見てもらう感じで。だから日本で1年勉強したあと、できれば海外で留学をしたいなと思いました。海外のほうが、レッスンとかもやりやすかったです。ロンドンは、きれいでした。公園とか、1人で観光とか行ったんですけど、行きやすいし、でもみんな結構気にかけてくれる感はあって。みんな優しくて。ロンドンいいところだなと。 -貴重なお話ありがとうございました。

M.Kさん/ルツェルン音楽祭アカデミー

M.Kさん プロフィール -まず簡単な自己紹介、現在までの略歴を教えてください。 M.Kさん:ピアノ講師をしている母に薦められ五歳の時にヴァイオリンを始めました。桐朋学園の子供の為の音楽教室に入室して音楽の基礎を学び、高校大学と桐朋学園に進学しました。 -今まで講習会などに参加したことはありますか?海外に行かれたことはありますか? M.Kさん:今までにもいくつか海外の講習会には参加したことはありますがスイスでの講習会は初めてでした。 -この講習会に行きたいと思った理由やきっかけはなんでしょうか? M.Kさん:現代音楽に特化した音楽祭というのは中々数もありませんし、その中でもじっくり二週間コーチング付でコンテンポラリーオーケストラレパートリーを学べるというのが魅力的でした。また講習期間中の生活費や現地までの飛行機や電車も全額主催者側が支給してくれるというのも大きな理由です。 -参加者は、どのくらいの人数がいましたか?また、どんな人が参加していましたか? M.Kさん:世界中から100人程選ばれていました。年齢層も幅広く学生からプロオケで働いている参加者も数多くいました。 -講習会はどんなスケジュールが組まれていましたか? M.Kさん:二週間ほぼ毎日コーチングやリハーサルがありました。オーケストラトレーニングなので個人レッスンはありませでした。 -先生はどんな人でしたか?スタッフはどんな人でしたか?何名くらい居ましたか? M.Kさん:今年はJack QuartetのChristpher OttoとAustin Wulimanがヴァイオリンのコーチングを担当してくれた他、指揮者はDavid Fulmar、Ruth Reinhardt、Sir George Benjaminがいました。 事務スタッフは4人程でしたが皆とてもレスポンスが早く優しかったです。 -レッスンでは、どんなことを教わりましたか?教わったことで、印象に残っていることはありますか? M.Kさん:現代音楽ならではの特殊奏法のコツや複雑なリズムをいかに正確に細分化するのか等全て新鮮な体験でした。作曲者もリハーサルに参加して、どういったコンセプトで曲を作ったのか、どういう風に弾いてほしいのか等直接お話が聞けたのは印象深いです。 -レッスンは何語で受けましたか? M.Kさん:英語でした。 -レッスンの最後には、コンサートや閉会セレモニーなどがありましたか? M.Kさん:今回は二週間の間に4回ほどコンサートで演奏しました。閉会セレモニーはありませんでしたが、最後のコンサート後に立食形式の簡単なパーティがありました。 -講習会中に、人前で演奏する機会(コンサートやコンクールなど)はありましたか? M.Kさん:私は弾きませんでしたが、メイン会場の裏手にあるバーで自由参加型の野外演奏の場も設けられていました。 -練習はどこでしたのですか?どのくらい練習出来ましたか? M.Kさん:地元のコンセルバトワール三校の練習室を自由に使えた他にもホームステイ先でも練習できました。朝から夜までリハーサルの合間をぬって練習しました。 -レッスン以外の時間は何をしていましたか? M.Kさん:練習したり美術館や観光スポットを巡ったりしました。 -街のようすはいかがでしたか?(治安、人々の様子、外観など) M.Kさん:湖が多くてどこを見ても絵になる景色でした。治安もよく英語も問題なく通じました。 -どこか遊びに行ったところはありますか? M.Kさん:メイン会場付近の湖まで泳ぎにいったり、ショッピングセンターでウィンドウショッピングを楽しみました。 -宿泊先はどこに泊まりましたか?対応はどうでしたか? M.Kさん:ホームステイでした。ベッドルーム一部屋を個人で使えてバスルームとキッチンは共用でした。 -宿泊先の設備はいかがでしたか?(部屋人数、空調、トイレ・風呂、洗濯方法、TVなど) M.Kさん:とても清潔なホストマザーだったので不備なくとてもキレイでした。エコ思考の方で空調システムやテレビは置いていませんでした。 -宿泊先と講習会場はどのように移動しましたか? M.Kさん:シティパスを主催者側が参加者全員に配ってくれたので自由にバスや電車に乗って移動できました。 -ごはんは何を食べましたか?お口には合いましたか?外食は1食何円ぐらいでしたか? M.Kさん:主にサンドイッチやサラダを食べました。スイスはレストランで食事すると高いですし量もとても多いのでテイクアウトを主に利用していました。サンドイッチ一個でだいたい5フラン前後でした。何を食べても美味しくて特にチョコは最高でした。 -海外の人達とうまく付き合うコツはありましたか? M.Kさん:皆とてもフレンドリーだったので特にコツはなかったかなと思います。 -留学中に、困ったことなどはありますか? M.Kさん:楽しい事だらけでありませんでした。 -今回講習会に参加して良かったと思える瞬間はありましたか? M.Kさん:毎日とても充実していたので最後のコンサート後にまた来たいなあと既に名残惜しく感じました。あとベルリンフィル、コパチンスカヤ、カバコス、ツィマーマン等世界的に有名な演奏家 達の生演奏を聴けたのは大満足です。 -留学して、何か自分が変わったなとか成長したなと思う事はありますか? M.Kさん:世界中の意欲ある仲間と交流できて、いくつになっても意識を高く、上を目指し続ける大切さを学べました。 -日本と留学先で大きく違う点を教えてください。 M.Kさん:コーチと生徒が対等でリハーサル中も自由に質問したり発言できたりというのは新鮮でした。全員がプロとしての意識を高く持っているのも新鮮な事でした。 -今後留学する人にアドバイスしておきたいことなどありますか? M.Kさん:最初の一歩は何でも難しいものですが必ずそれに見合う何かを得られるので機会があれば積極的に行ってみてください。 -留学前にしっかりやっておいた方がいい事は何かありますか? M.Kさん:下調べは大事ですし早目早目に動いた方が安心です。 -今後の活動は?進路などありましたら教えてください。 M.Kさん:帰国して演奏活動の他レッスンをしたりしています。 -ご協力ありがとうございます。

峰松佳乃子さん/マントヴァ音楽院

峰松佳乃子さん プロフィール1989年生まれ。山口県下関市出身。 3歳よりピアノを始める。 ヤマハ音楽教室ジュニア専門コースピアノ上級科、梅光女学院高等学校音楽科を経て、国立音楽大学音楽学部伴盤楽器専修ピアノ科卒業。大学在学中に芸術祭において、国立音楽大学オーケストラと共演。2011年大学卒業後イタリアに渡り、2015年マントヴァ国立音楽院修士課程ピアノ科修了。2019年マントヴァ国立音楽院修士課程室内楽科を首席で修了。修了時に最優秀賞受賞。 2000年ヤマハジュニアオリジナルコンサートin広島出演。 2003年 山口県学生音楽コンクール中学生の部ピアノ部門銀賞。 2006年ヤマハヤングピアニストコンサート第1位、金賞および大賞を受賞。 同コンサート広島推薦演奏会金賞および大賞を受賞、大阪において推薦演奏会に出演。 2014年 第4回アントニオ・サリエリ青少年国際音楽コンクールピアノ部門第3位。 2015年 第2回ジュセッペ・アチェルビ国際コンクールピアノ部門第3位など、 数々のコンクールで入賞。 2016年にマントヴァ夏の音楽祭でヴァイオリニストのパオロ・ギドーニ氏と共演。 これまでにピアノを井町泰子、下田直子、三木香代、サルヴァトーレ・スパノの諸氏に、 作曲を久行敏彦、橋本剛、伴奏法をサヴェリオ・マルティネッリ、室内楽をパオロ・ギ ドーニの諸氏に師事。 マルミローロ市コンコルディアヴォークム文化協会のピアノ講師としても後進の指導にあ たる傍ら、ソロ、室内楽において主にイタリアで演奏活動を行なっている。 山口県音楽協会会員。 イタリア・マントヴァ市在住。 -まず簡単な自己紹介ということで、現在までの略歴を教えてください。留学する前までの音楽の経験は? 何歳からなさっていましたか? 峰松様:ピアノは3歳から始めました。母に連れられてヤマハ音楽教室に行ったのがきっかけです。そこからジュニア専門コース、ピアノ上級科に高校卒業まで在籍しました。 地元下関の梅光女学院高校音楽科を経て、国立音楽大学のピアノ科を卒業しました。 大学を卒業したその年の6月にイタリアにレッスンを受けに行き、次の年にマントヴァ国立音楽院に入学しました。 2015年に修士課程のピアノ科を、2019年4月15日に同じ音楽院の修士課程の室内楽科を修了しました。この時は満点の首席で修了し、修了時には最優秀賞を受賞しました。 コンクールは山口県学生音楽コンクールを始め、様々なコンクールに挑戦しました。 イタリアではアントニオ・サリエリ青少年国際コンクールピアノ部門、ジュセッペ・アチェルビ国際音楽コンクールピアノ部門で3位に入りました。 実は小学生の頃に合唱もやっており、NHK全国学校音楽コンクールの全国大会でNHKのホールの舞台にも乗りました。 その時に伴奏をしたのがきっかけで自然と音楽の道を歩むことになりました。 -留学したきっかけを教えてください。 峰松様:高校在学中から漠然と海外で音楽を勉強したいと言う気持ちはありましたが、その一方で、音楽の教員になろうという思いもあり、教育実習にも行って、高等学校の音楽の教員免許も取りました。 そんな時、大学を卒業したその年にアンドビジョンの皆様のおかげでイタリアでレッスンを受ける機会がありました。 実はその時、音楽大学の大学院の受験に失敗したのもあって、受け直すかどうかを考えており、願書の締め切りギリギリまで大学院を受けるつもりで準備していましたが、マスタークラスで出会った先生に”君、イタリアでピアノ弾いたら?”と一言言われて、直感だけで方向転換してイタリアで音楽をやることに決めました。この鮮やかな方向転換に両親が一番びっくりしたと思います(笑)その時のマスタークラスが今のピアノの先生です。 -どうやって現在の学校を選びましたか?現在の学校に決まるまでのいきさつを教えてください。また、 決め手になった点はなんでしょうか? 峰松様:マスタークラスで出会った先生が、今の音楽院の教授で私も自然とそこの音楽院に決めることになりました。 -どのような試験・出願書類が必要でしたか?何か書き方のコツはあるのでしょうか? また、試験の思い出、苦労話などありましたら、教えてください。 峰松様:出願書類は学校の成績証明書など大使館に提出する書類がたくさんありますが、イタリア文化会館から必要書類が提示されます。 試験内容は各地の音楽院でもしかしたら違いがあるかもしれませんが、私の音楽院は、入学試験は実技のみで、30分のプログラムが課題でした。 日本の音楽大学の試験というととにかくピリピリした雰囲気の中で弾くものですが、音楽院の試験は本当にあまりにもアットホームで私自身も拍子抜けしたので、逆に力を抜くことに苦労した気がします(笑)ですが、修士課程修了時、学部課程卒業時には論文を書かなければなりません。 もしかしたらこれが一番の苦労かもしれないです。私もピアノ科、室内楽科と修士論文を2つ書きましたが、イタリア語ですので、論文のための書き言葉に苦労しました。試験の時は他のイタリア人の学生と同じように論文についてのプレゼンと口頭試問もありますので、特に外国人は、内容もさることながら、淀みなく流暢なイタリア語で話すことが要求されます。私は演奏系の専攻ですので、実技もありましたが、実技よりも口頭試問の方でハラハラしていました。文献の研究も全てイタリア語です。 -手続きで苦労した点はなにかありますか? 峰松様:とにかく提出しなければいけない書類が多く、中にはイタリア現地から取り寄せないといけない書類もあったりしたので、必要書類が書いてあるリストとカレンダーをひたすら確認する日々でした。 この時ばかりは胃に穴が空きそうなぐらい大変でした。 -留学準備はどのくらい前から始めましたか? 峰松様:アンドビジョンには大学卒業前からお世話になっていました。本当に親身に相談に乗ってくださいました。 -学費はどう捻出しましたか? 峰松様:奨学金を取らなかったので自費です。 -語学は日本でどのくらい勉強しましたか?現地でも語学学校に行った方がいいでしょうか? 峰松様:行けるなら少しでも語学学校には行った方がいいとは思いますが、プライベートレッスンをお勧めします。私は大学時代にイタリア語の授業を取っていて、大学院の入試の語学もイタリア語で受けたので、文法は一通りおさえた状態から勉強し直しました。会話に関してはもう、現地でネイティブの人と話して慣れるしかないので、日本にいる間はその土台になる文法や、最低限、意思疎通を図る言い回しを勉強しました。私も現地の語学学校には行きましたが、2ヶ月くらいだったので、もしかしたら他の方よりはかなり少ない方かもしれません。日本でビザの書類を準備している間、時間がある時には少しだけですが、語学学校に行って、現地の学校で消化しきれなかった部分を勉強しました。 -学校はどんな雰囲気ですか?その学校ならではの特徴は何かありますか? 峰松様:全体的にのんびりとした雰囲気です。常に競争また競争という感じではないので、マイペースな私にとってはこの上なくありがたい環境です。 -日本人はどのくらいいますか? 峰松様:現時点で在籍しているマントヴァの音楽院は、私が唯一の日本人です。マントヴァは小さな街なので、日本人もほとんどいません。 -日本と留学先で大きく違う点を教えてください 峰松様:気候、雰囲気、文化…何もかもですね。でも、それが私には良かったのかもしれません。 -学校の授業はどのように進められますか?日本でしっかりやっておいたほうがいい勉強などありまし たら、教えてください。 峰松様:授業、レッスンは全てイタリア語です。英語は通じないと思っていた方がいいと思います。ですが、日常会話を一気に全て覚えようとする必要はないと思います。それよりも、相手の言っていることが分からなくても”それはどういう意味ですか?”と聞き返せるコミュニケーション力の方が大事ですね。音楽院の授業に関しては、私は音楽院入学の時点ですでに日本で音楽大学を卒業して学士の学位を持っていたので、いわゆる必修科目は実技系以外は全部免除でした。ですが、授業の科目や内容は日本の音楽大学と同じです。音楽史もあり、ソルフェージュ、和声など全部あります。 -日ごろ練習はどのようにしていますか? 峰松様:グランドピアノを月に100ユーロでレンタルしていますので、練習は基本的に自宅です。合わせがある時は音楽院で部屋をあらかじめ予約しておいたりします。 -学外でのセッション、コンサートなどは行われますか? 峰松様:コンサートの数が桁違いに多いので、シーズンに入ると、1週間に2本、3本は本番があります。音楽院の室内楽の教授の先生とデュオリサイタルの機会にも恵まれました。 -1日の大体のスケジュールを教えてください 峰松様:午前中にレッスンが入ることが多いので、午後からは合わせ、仕事などをこなしています。 -現地の音楽業界へのツテはできますか? 峰松様:音楽院でマスタークラスに来られた先生と知り合うことが多いですので、業界へのツテもできると思います。 -周囲の人の学習態度に関しては、日本とどう違いますか?例えばどのような点が違うと思いますか? (例:アメリカなどだと、生徒と先生が対等で意見を交換し合うので、積極性が重視されるなどがあります) 峰松様:イタリアも先生と生徒は比較的対等だと思います。自分の思っていることを遠慮なく言う学生も多いです -授業以外はどのように過ごされていますか? 峰松様:友達と街中に繰り出してジェラートを食べに行ったり、ショッピングしたりして、青春を謳歌しています。 -日本人以外の人たちと付き合うコツはありますか? 峰松様:自分は外国人だからと思い過ぎないことです。思い過ぎるとそこで壁ができてしまいます。現地の人だって日本に来れば外国人なのですから。現地の知らない人に失礼な言葉で声をかけられることもあるとは思いますが、”だからなんだ”と流せるぐらいの図太さがあった方がいいかもしれません。 -宿泊先はどのようにみつけましたか? 峰松様:先生が全部助けてくださいました。 -生活費はだいたい1か月いくらぐらいかかりますか? 峰松様:月に1000ユーロあって少し余ると思います。 -留学してよかったと思える瞬間は? 峰松様:先生に生徒として大事にしてもらえてるなと感じたときです。 -留学して自分が変わった、成長したというところはありますか?例えばどんなことですか? 峰松様:こればかりは自分では分かりませんので、先ほど先生にメールをして聞いてみました。今の私を一番ご存知ですので…以下は先生からです。 ”僕はカノコは音楽家として、人として成熟し、かなり成長したと思います。イタリアが好きなので、この留学はとてもいい経験になったのではないかと思います。ピアノに関しても、音や技術のコントロールの技量が格段に上がったように思います。” だそうです。 -今後はどのような進路を考えていますか? 峰松様:今後は11月から音楽院の伴奏科に行きますが、それと並行して今まで通りイタリアを拠点に音楽活動をしていきつつ、年に数回は日本で演奏することを考えています。 -これから留学する人が、心しておかなければいけない点、アドバイスしておきたいことがありました ら、お願いします。 峰松様:時として音楽家の意地とプライドが必要になることもありますが、特に日頃の生活で人間関係において、現地の学校に入って、現地で生活して、現地の人と接する時には、いらぬプライドは持たないことです。学校の成績や結果というのは、心配しなくてもやればやったぶんだけあとでついてきます。 もちろんそれは自分の中で確かな自信になりますが。目的意識を持ち、目標をしっかりと見据えつつ、そこにたどり着くまでのプロセスはあくまでもマイペースに。人に流されない芯の強さはあった方がいいと思います。そして、当然イレギュラーなことがたくさん起こりますが、振り回され過ぎないことも大事だと思います。 海外に行けば、そこはもう日本国内ではないので、文化も言葉も違うので、予想外のことが起こるのは普通です(笑)そんな私も、家の伴を忘れてゴミを捨てに行った挙句に締め出されて消防車が来たりとか、遊びに行った先で財布をスラれたこともあります。周りの人からは、1人で海外に行って強いとか、しっかりしているとか言われますが、別に私が強いわけでもなく、しっかりしているわけでもなく、細かいことを気にしないマイペースで呑気なだけです。 少し脅かすようなことを書きましたが、海外で生活するというのはこういうことです。留学というと、夢いっぱい、現地の人とたくさん友達を作って…というイメージですが、実際生活となるとそうもいかないことの方が多いです。でも友達はたくさんできますよ!なので、とにかく自分をしっかり持ってブレないのが何よりも大事だと思います。 予想外のハプニングも多いですが、それも含めての生活。刺激がたくさん予想外のハプニングも多いですが、それも含めての生活。刺激がたくさんでいいじゃないですか!海外留学の生活もなかなかオツなものですよ。 -貴重なお話しありがとうございました。

Y.K.さん/ウィーン冬期音楽講習会

Y.K.さん/ウィーン冬期音楽講習会 プロフィール国立音楽大学附属高校作曲科入学、在学中ピアノ科へ転科。国立音楽大学ピアノ専攻卒業。複数の合唱団でピアニストを勤め、イタリア公演等に参加。ソロや器楽、声楽とのコンサートや録音等で活動。ピアノ教室主宰。 ロンドンでニール・イメルマン、プラハでミラン・ランゲル各氏のレッスンを受講。 -まず初めに簡単な自己紹介と、現在までの略歴を教えていただけますか。 K様:5歳からピアノを始め、小学校5年からフルートもやっていて、中学校から和声と作曲を勉強しました。その後、国立音大の付属高校の作曲科に入学しました。そこで副科のチェロとか、声楽を始め、在校中にピアノ科に転科しています。 -すごいですね、本当にいろんなジャンルを勉強していらっしゃるんですね。 K様:そうですね。自然といろんなものに挑戦する機会に恵まれました。 -もともとチャレンジが好きなタイプでしたか? K様:というよりも、逆にこれが専門というふうに極めすぎなかったのが、かえっていろいろ選択肢が増えた結果かなと思います。 -今回講習会に参加されるきっかけになった事は何ですか。 K様:大学在学中から地域の子どもたちにピアノをずっと教えて現在に至るのですが、合唱団のお仕事、ピアニストのお仕事も、約25年やっていたので、なかなか自分のピアノだけに集中する時間がとれなくなってきていました。 これまでに3回程アンドビジョンさんにお世話になりましたけども、環境を変えて、自分の勉強に集中する時間を確保するという目的で。で、たまたま今回年末年始ということだったので、お仕事にも影響なく、家族にもそんなに迷惑をかけず、家族も年末年始の休暇中だったので、思い切って行かせてもらった、という感じです。環境を変えて、自分の勉強の時間を確保したかったから、ですね。 -講習会自体、日程としては年末年始に組まれていたと思いますが、その講習会はどういうスケジュールでしたか。 K様:大体レッスンは1日に1回入っていて、レッスンがないのが大晦日、元旦ですね。レッスンがある日も2、3時間ぐらい練習室を借りて自分の練習をしていました。 -トイフルマイヤー先生はどんな方でしたか。 K様:レッスンの最初にいきなりジョークを飛ばして私をリラックスさせて下さいました。それでいてとても紳士でいらして、親切で素敵な先生でした。以前アンドビジョンさんのトイフルマイヤー先生の国内マスタークラスの聴講に行ったのですが、トイフルマイヤー先生のレッスンはとても的確で、わかりやすくて。今回のレッスンでも、先生は非常にご年配でいらっしゃるけど、学ぶ姿勢を失わない情熱みたいなものはすごく感じました。 -レッスンは何語でしたか? K様:ドイツ語1本ですね。時々、右手、左手、という日本語だったり、ゆっくり、というのもよくおっしゃっていました。 -講習会の最後には終了演奏会だったりとか終了セレモニーのようなものはありましたか。 K様:ありました。大晦日の日にクラスコンサートがあって、ほぼ最終日というか、講習最終日が修了コンサートでしたね。で、終了コンサートのあとに、皆さんでレストランに移動して、打ち上げ、懇親会みたいなものはありました。 -初めて講習会に参加して、ほかにも受講生の方が一緒にいらっしゃる状況に対する不安は特になかったですか。 K様:なかったですね。ただ、ピアノの方がたくさん参加されて、例えば準備する曲の規模で、こんなのでいいのかしら、って、参加するのはどうかな、みたいな、そういう心配はあったんですけど、今回たまたまピアノは私1人だったので、先生自身も楽しそうに、というとちょっと失礼ですけど、そういう気持ちでレッスンしてくださいましたし。で、私もともと声楽とかも大好きなので、声楽の方とか、あとフルートもいましたし、いろんな参加者がいて、すごく楽しかったです。クラスコンサート聞いているのもすごく楽しかったです。 -他の参加者の方同士でコミュニケーションとったりもできましたか。 K様:そうですね。皆さん自然と仲良く、なんとなく一緒にいたり、という感じになりましたね。 -楽しい雰囲気で、ピリピリすぎない感じだったんですね。 K様:全然それはなかったです。むしろ皆さん本当に楽しんで、レッスンも楽しい、いろいろ言われてもそれも楽しい、という感じでした。皆さん前向きで、いい雰囲気でした。 -講習会ということでレッスンと練習の時間はあったと思いますが、レッスン、講習会以外の時間はどのように過ごされましたか。 K様:私は今回ウィーン3回目で、なんとなく町の感じもわかっていたので、普通に町歩きも時間があればしました。それからお買い物も、こういうところに入ったらこういうのがあるというのも大体わかっていたので、小さいお買い物ですけど、スーパーだったり、ドラッグストアだったりで、ちょっとした日用品を買いに行きました。で、カフェとかも入りましたし、それと、ホテルザッハのザッハトルテも食べることができました。 -今回のウィーンでの年越しはどのように過ごされましたか。 K様:オプショナルはつけなかったので、自分で大晦日のときにアン・デア・ウィーン劇場のオペラに行きました。アン・デア・ウィーン劇場は前から行きたいと思っていて。 -すごく貴重な体験ですね。 K様:そうですね。それで、もう1人行きたいという子がいたので一緒に行って、それで終わったあと、年越しカウントダウンを国立歌劇場の前で。花火も見たりして、年越しを迎えました。 -現地のお店情報なども、結構大事だったりしますよね。 K様:あと、大晦日の日程的に、お店が思ったより早くしまっちゃって。食料買いそびれたとか、水買ってないという方が周りにいましたね。 ー年越しでどんなふうに町は盛り上がっていましたか、治安面の不安もあったりしましたか。 K様:大晦日は、ウィーンの町の人もそうでしょうし、それから観光客がどんどん中心部に集まっている感じがありました。車も多かったですし、みんなでお祝いするために中心部に集まっている感じでした。元旦は、どちらかというとおそらくツーリストの方が、なんとなくガイドブックを片手に街歩きをして写真を撮ったり、という感じでした。例えば地下鉄とかは、元旦はかなり空いていました。ただ、もともと講習期間中、地下鉄も混んでいるイメージはなかったので、かなりの確率で、空いている席見つけて、サッと座れるぐらいな、そんな感じでした。治安面もそんなにものすごく近づいてくるとか、振り向くと人の気配がするとか、そういうことは全くなかったので、治安としては不安はなかったです。普通にしていれば問題ないという感じですね。 -年末年始のウィーンってかなり寒かったんじゃないかなと思いますが、どれぐらいの防寒がよかったですか。 K様:寒いと思って準備していったこともあるので、例えば、小物は絶対あったほうがいいと思います。ヨーロッパの方って小雨や雪が降っても、そんなに皆さん傘はささないですから。例えば、ダウンだったら、東京ではフードをつけてなくても、フードはつけていったほうが便利ですし。それから、傘はほとんど使わなくて、1日ぐらいしか使わなかったです。結構降ってくるときはあったんですけど、ニット帽だったり、年が明けてからは雪が積もりましたので、雨とかに濡れても大丈夫な防寒用の靴みたいな、ショートブーツみたいなものはあったほうが便利だと思います。向こうで調達しようと思っていても、年末年始お店閉まっていたり、あとお買い物に苦労されると、ほかのほうに神経使っちゃって、ってなるので、ちょっと多いぐらいの準備してちょうどいいと思います。室内はとても暖かったです。 -ウィーンももう3回目でいらっしゃるので慣れていらっしゃる部分も多いかと思いますが、やっぱりここは日本とは違うなの思った点はありますか。 K様:海外はどこもそうかもしれませんけど、自分から動かないと。向こうから声はかけてくれることはあるかもしれないんですよね。例えばホテルとかだと、フロントがあるところに自分が行っても、自分が何かを言わないと向こうの人は声をかけてこないので、自分から発信してこれはどうしたらいいですか?とか、こうしてほしいんだけど、って言わないと動いてくれないな、というのがありましたね。 -自分なりの海外でうまく楽しむコツみたいなものはありますか。 K様:お店とかホテルみたいなところ、カフェなんかもそうかもしれないですけど、日常的に使うようなところで、そんなに親切ではないということは自覚して行かないと。例えば、スーパー一つ入っても、レジでまごまごしちゃってへこんじゃうとか、そういう方もいるみたいなので、そういうことは逆に、知らない、慣れてないという気持ちで、気にせずにどんどんお店でお買い物に挑戦するというのは大事だと思いました。 -ウィーンで日本にはないお料理もあったかなと思うのですが一番おいしかった、逆に食べにくかった、というものはありますか。 K様:皆さん話題にしていたのは、シュニッツェルですね。食べた?とよく話しました。食べてなかったら、じゃあ注文しようか、という感じで。シュニッツェルもお肉の種類がいろいろあるそうなので、それはぜひどれがおいしいのか挑戦してもらいたいし、今、ウィーンはどれを食べてもおいしんじゃないかな、という印象ですよね。いろんな観光客の方来ていますし。どれもおいしくいただきましたので、どれもおすすめだと思います。 -今回の講習会に参加して、一番良かったと思うことは何ですか。 K様:今回、アンドビジョンさんに申し込んだのが1カ月前だったので、本当に準備期間がなくて、手持ちの小品をたくさん用意して行きました。1回目、2回目は割と大きなものでまとめるのが難しい曲を準備したんですが、今回はもともとサッと弾けるようなものをたくさん準備していきました。今回はこれからの自分のお仕事、子どもたちにピアノを教える上で大変役に立つような作品を用意して、トイフルマイヤー先生は、小さい方からプロの活躍するレベルの人たちもたくさん見てらっしゃる先生だったので、そういう小品なんかも的確にご指導頂けると思ったので。すぐにレッスンに役立つような、的確に、わかりやすく指導していただきました。自分のスキルアップももちろんあるんですけど、仕事に対しての自信になった、そういう講習会だったと思います。 -今後、ウィーンに留学したいという方がいらっしゃったとき、これはアドバイスしておきたい、と思うことはありますか。 K様:冷たいってこともないんですけど、親切ではない、ってことですよね。だからそういうこと一つ一つ、あまり気にせずに、それこそまだ渡航に慣れていない方は、慣れてないんだから、ちょっとそういうことに遭遇してしまった、ぐらいに思って、絶対にマイナスに思わないこと。日本でできていることから引き算していくと、へこんじゃったりするので、前向きにチャレンジしてほしいですね。 -お時間いただいてありがとうございました。

寺根佳那さん/チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院

寺根佳那さん/チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院 プロフィール東京音楽大学付属高校、東京音楽大学を経て、東京音楽大学大学院修士課程鍵盤楽器研究領域修了。 ベルーナ人材育成奨学金第一回奨学生として、埼玉県知事より埼玉親善大使を委嘱され、 現在チャイコフスキー記念ロシア国立モスクワ音楽院在学中。 在ロシア日本国大使館主催、ロシアにおける日本年2018 風雅「日本の美」オープニングコンサート(モスクワ)出演。 ラ・フォル・ジュルネ新潟2016「熱狂の日」音楽祭、リスト記念館ホール(ハンガリー・ブダペスト)、秋篠音楽堂、宗次ホール等にソロ出演。東京、名古屋、群馬等、ソロリサイタルを多数開催。 国立オリンピック記念青少年総合センター大ホールでヴィルトゥオーゾユースオーケストラと共演。日本演奏連盟正会員。 -まず簡単な自己紹介ということで、現在までの略歴を教えてください。留学する前までの音楽の経験は? 何歳からなさっていましたか? 寺根様:ピアノは3歳からしています。幼少の頃は、兵庫県に住んでおり、小学生の時に相愛大学名誉教授の故片岡みどり先生に二度推薦していただき、大阪のザ・シンフォニーホールの推薦演奏会に出演しました。 その翌年、兵庫県の地元の先生の勧めで、大阪音楽大学の付属音楽学園を受験し、教授の先生からレッスンを受けれるセミナークラスに合格し、中学1年から、大学生の方と同じクラス(4人)でピアノのレッスンを受 けていました。 その翌年、兵庫県の公立中学校の音楽の先生が、「東京から凄い先生が来るからレッスンを受けてみたら」と推薦して下さり、兵庫県から神奈川県までレッスンに通う日々が始まりました。この頃は、兵庫県から週2 回大阪へ、週1回京都へ、そして隔週で神奈川へ通っていたので忙しい中学生でした。 私は、兵庫県で音楽科がある県立西宮高校を受けようと思って準備をしていましたが、当時ついていた京都芸大の先生に、東京に行くことを強く勧められ、受験の3ヶ月前に東京音大の付属高校を受けることが急に決 まり、勢いで東京に来ました。 略歴 東京音楽大学付属高校、東京音楽大学を経て、東京音楽大学大学院修士課程鍵盤楽器研究領域修了。 ベルーナ人材育成奨学金第一回奨学生として、埼玉県知事より埼玉親善大使を委嘱され、 現在チャイコフスキー記念ロシア国立モスクワ音楽院在学中。 在ロシア日本国大使館主催、ロシアにおける日本年2018 風雅「日本の美」オープニングコンサート(モスクワ)出演。 ラ・フォル・ジュルネ新潟2016「熱狂の日」音楽祭、リスト記念館ホール(ハンガリー・ブダペスト)、秋篠音楽堂、宗次ホール等にソロ出演。東京、名古屋、群馬等、ソロリサイタルを多数開催。 国立オリンピック記念青少年総合センター大ホールでヴィルトゥオーゾユースオーケストラと共演。日本演奏連盟正会員。 -留学したきっかけを教えてください。 寺根様:ソロリサイタルを毎年聴きに来て下さっていた先生に勧められました。 学生時代から何度も留学は勧められていたのですが、まず日本で出来る限りのことをした上で、自分にとって留学が本当に必要かどうか考えてから決めようと思っていました。 改めて先生に勧められて、現実的に考えるようになりました。実は、先生に勧められる一年前に受けたロシア人の先生のマスタークラスで、ロシアに来たらというお話をしていただき、漠然とですが、やはり行きたい なという気持ちが芽生えていました。 高校生の頃から勉強していたロシア語をもう一度勉強し直そうと思い、語学スクールに通い始め、勉強を再開していた矢先にタイミング良く勧めて下さったので、決心が出来たように思います。 -どうやって現在の学校を選びましたか?現在の学校に決まるまでのいきさつを教えてください。また、決め手になった点はなんでしょうか? 寺根様:当初は、サンクトペテルブルク音楽院に留学しようと考えていました。サンクトペテルブルクの先生が、僕はいつでも歓迎するからロシアに勉強に来たらいいよとおっしゃって下さっていたので、漠然と行き たいなという気持ちがありましたが、金銭的な面でも現実的ではないと諦めていました。ただ、高校生の頃から、ロシア・ピアニズムを学びたいという気持ちが強く、心の片隅でロシアで学びたいという気持ちは常に あったように思います。 先生方にも相談したところ、モスクワ音楽院を勧められ、挑戦することに決めました。 -手続きで苦労した点はなにかありますか? 寺根様:ロシアのことに関しては殆ど相談出来る人がおらず、自分で全て手続き面の手配をしたので大変なことばかりで毎日不安でした。 手続きも提出書類も殆どロシア語でしなければならなかったので、毎日手探りで、綱渡りをしているような状況でした。 -留学準備はどのくらい前から始めましたか? 寺根様:大まかな準備は、10ヶ月前から始めました。 ただ、ソロリサイタルなどを受験の3ヶ月前までしていたので、その準備や練習に追われていて、本当にちゃんと準備を始めたのは3ヶ月前からです。 -学費はどう捻出しましたか? 寺根様:給付型奨学金の奨学生に選んでいただきました。 -語学は日本でどのくらい勉強しましたか?現地でも語学学校に行った方がいいでしょうか? 寺根様:ロシア語は高校生の頃から大学を卒業するまで履修していましたが、その後しばらく勉強していませんでした。 留学をする約2年ほど前から、語学スクールに通っていました。留学の半年前からは、ロシア人の家庭教師の方にもレッスンをしてもらっていました。 -日本と留学先で大きく違う点を教えてください 寺根様:授業がいつから始まるのか等、日本なら当たり前のように学校側から教えてもらえる最低限のインフォメーションすら、こちらから聞きに行かない限りは教えてもらえないということでしょうか。 例えば、学生証に関しても、何度か自分から「もう出来ましたか?」と聞きに行き、ようやくもらえました。 待っていては何も進まないです。 -学校の授業はどのように進められますか?日本でしっかりやっておいたほうがいい勉強などありまし たら、教えてください。 寺根様:授業は全てロシア語です。英語が通じない先生が多いので、最低限のロシア語が出来ないと困ると思います。 -日ごろ練習はどのようにしていますか? 寺根様:寮の練習室や、音楽院で練習しています。 -授業以外はどのように過ごされていますか? 寺根様:大体は、練習場所を探すか練習をするかです。 -宿泊先はどのようにみつけましたか? 寺根様:寮があります。 -留学してよかったと思える瞬間は? 寺根様:一番の喜びは、素晴らしい先生との出会いです。いつも真剣に一緒に向き合って下さって、妥協せず、時間を気にせず教えて下さる先生から学ぶことが出来る喜びは大きいです。レッスンの内容もとてもレベ ルが高く、毎回新しい気付きがたくさんあり、ここ音楽に夢中になれる日々が幸せです。 -これから留学する人が、心しておかなければいけない点、アドバイスしておきたいことがありましたら、お願いします。 寺根様:一番大切なことは、悩みすぎないこと。何があっても前向きに考え、自分の気持ちを貫くこと。 自分が今出来ることを精一杯頑張っていたら、必ず道が開けていくと思うので、勇気を持って怖がらずに挑戦してください!

アンドリュース瑚彩さん/青少年のためのシュリッツピアノ夏期講習会 ピアノと語学レッスンコース

アンドリュース瑚彩さん/青少年のためのシュリッツピアノ夏期講習会 ピアノと語学レッスンコース プロフィール6歳よりピアノを始める。 ジュニアオーケストラのチェコ公演、ルーマニア公演、フィリピン公演でラフマニノフやグリーグのピアノ協奏曲のソリストを務める。 14歳からヴァイオリン、ヴィオラを始め、中学・高校と弦楽部に在籍。現在コンサートミストレスを務める。
-まず、簡単な自己紹介、今までの略歴を教えていただけますか? 瑚彩様:ピアノは6歳頃から始めました。弦楽器を14歳頃から、ヴァイオリンとヴィオラを新たに始めて。ピアノは習っている先生の主催する発表会で毎年コンサートをやっていたりしていました。コンクールに出たことはありません。 -弦楽器もされてたんですね。 瑚彩様:そうですね。クラシック音楽が好きで、弦楽器の音色にも惹かれて。ヴァイオリンもかっこいいな、と思って始めました。それと、友人がジュニアオーケストラのメンバーだったので、体験しに行ったら、その先生にヴィオラを勧められて。始めてみたらはまってしまったという。 -いろいろ多才なんですね。 瑚彩様:ありがとうございます。いろいろ手を出してしまっていますけれど。 -今回ピアノの講習会だったと思うんですけど、ほかにも何か講習会に参加されたご経験はあるんですか? 瑚彩様:海外へはないんですけど、音大の受験講習会があって、レッスンと楽典・聴音を、数回受けたことがあります。 -ドイツの講習会に行きたいと思ったきっかけって何ですか? 瑚彩様:ヨーロッパってやっぱり日本と違って、音楽が身近にあると思うんです。それと、ジュニアオーケストラの旅行で数回ドイツやオーストリアに行ったことがあったんですね。その時の街並みとか雰囲気がすごい好きで。音楽が身近にあることと、違った場所、違った言語に触れるきっかけになると思って。海外の先生のレッスンから、英語とドイツ語しか通じない場所に身を置いて、生きた音楽を学びたいなと思いました。 -ジュニアオーケストラで行かれたのは、旅行ということは、演奏はなかったんですか? 瑚彩様:演奏旅行みたいな感じでした。例えば1週間行ったら最後の3日練習と本番みたいな、そんなにがつがつした感じじゃなかったんですけど。観光して、現地のアマチュアのオケの人と合流して、練習して、本番という流れですね。あまり練習する時間がなかったので、ソロの曲を弾いた時にはとても大変でした。 -今回参加されたドイツのシュリッツの講習会なんですが、どれぐらいの方が参加されていましたか? 瑚彩様:ジュニアとシニアで分かれていて、13歳から17歳だったジュニアは16人、19歳から30歳までのシニアは22人でした。年齢は今回の講習のメンバーです。お互いに触れ合う機会は、そうですね、語学レッスンくらいしかなかったです。講習会の最初にオープニングセレモニーがあったんですけど、飛行機の便の関係で、私ともう1人参加した日本人の男の子が出られなかったんです。だからメンバーも後から把握するみたいな感じになりました。ただ私はルームメイトとその友達とでずっと一緒にいたので、あまりほかのメンバーと話す機会もなかったですね。それが少し残念でしたが、Facebookで友達にはなれました。 -講習会はどんなスケジュールで組まれていましたか? 瑚彩様:私は毎日朝の9時から10時半まで、申し込んだドイツ語のレッスンを受けました。そしてピアノの練習が毎日3時間取られていました。日によって時間や部屋は変わっていましたね。レッスンは、2人の先生のレッスンを二回ずつ受けられる、計4回ありました。食事は泊まっていたゲストハウス、寮みたいなところの食堂でとりました。朝は割と自由で、パンやハム、チーズなどが並んでいて、好きなものを取って食べていました。寝坊とかすると、スーパーで買ってきたシリアルバーを無理矢理食べて練習に行くみたいな。朝食、昼食、夕食とあって、レッスンがなければあとは自由、といった感じでしたね。散歩に行ったり、スーパーやパン屋に行ったり。ちなみにレッスンは、マスタークラスって書いてあったので、すごくびびっていたんですけど、実際誰も来ませんでした。他の子に聞いても、マスタークラスは全然人いないよ、って。マスタークラスもいい経験になりますが、今回周りの子の迫力がすごくて、少し自信がなかったので、安心してしまいましたね…。 -先生はどんな方でしたか? 瑚彩様:最初にレッスンを受けたニーデルドルファー先生(女性)は、英語が母国語ではないようでしたが、英単語とか表情、仕草で何となく伝わってくることもありました。割と感情的なことを大事にしてらしてたかなと。もっとこういうイメージで、ということを動きをつけて説明してくださって、とても分かりやすかったです。温和な方でしたね。もう一人のフォン先生(男性)はイギリスのパーセルスクールで教えてらっしゃる先生でした。ベートーベンのソナタをレッスンしていただいた時に注意されたのは、リズムや弾き方についてが中心でした。基礎的なことを結構言われて、自分はまだまだだなと実感しました。音楽的な指示ももちろん英語で出されて、分からない単語とかが結構出てきたりしたので少し焦りました。通訳はつけなかったんです。完璧に理解し切れない部分もあったので、先生の弾き方や音に注意したり、いろいろ聞きながらじゃないと分からないところもあったんですけど、優しく教えてくれました。ユーモアのある方でしたね。2人とも優しくていい先生でした。 -日本での教え方、今されているレッスンとの違い、外国の先生ならではの、こういう教え方って外国なんだな、と感じたことはありましたか? 瑚彩様:そうですね…。ニーデルドルファー先生は、勝手な偏見かもしれないですけど、日本人より、音で何かを表現する時、感情を表に出す感じだったかなと思います。控えめに言うことはなかったかと。できていないことは、しっかり分かるまで指導してくださいました。そうする先生も日本にはもちろんいらっしゃるとは思うんですけど。ここは感情的に、ここはこうやりましょう、みたいな、そういう表現の説明の仕方が大きかったのかなと。うまく説明できていない気もしますが。 -それはわかりやすかったですか。 瑚彩様:わかりやすいですね。言葉でいろいろと言われるより、的確にイメージさせる要素に触れたほうが。彼女は自分のイメージを提示してくださって、それを私が自分なりにイメージして、弾いていました。そういうのって個人によってイメージすることも捉え方も違いますしね。…難しいですね、音楽を言葉で説明するのは。 -スタッフの方はどんな方でしたか?例えば講習会で運営スタッフ、先生以外の方ですね。あまり話す機会はなかったですか? 瑚彩様:最初に飛行機の関係で遅く着いた時に、もう一人の日本人の男の子がいたんですけど、彼と一緒に建物を簡単に案内されたんです。そのコーディネーターというのかな、彼女が英語で説明してくださったんですね。でも彼があまり英語がしゃべれなかったので、私が通訳になるといういい経験もできて。みんな笑顔が素敵で感じのいい人ばかりでした。でもいけないことはきちんとダメと言っていました。いろんな人を見ていて思ったんですけど、日本人の遠慮というか、オブラートに包む感じが、いい意味でないのかなと。何事もスパッと言う感じでした。だから分かりやすかったですね。事務の方や掃除の方とはあまり話す機会がなかったですが、洗濯やコンサートについて聞きたいことがあるときは、お世話になりました。 -スタッフは何人ぐらいいらっしゃいましたか? 瑚彩様:スタッフは、主に関わったのはコーディネーターの2人でした。中心となる先生もレッスンを担当しながらカメラでみんなの写真撮ったりとかしていて。他は洗濯物の受付にいた方が2人と、事務室に4人くらいいらっしゃいました。私が見たのはそのくらいです。 -参加されていた方は、先ほど日本人の男の子が1人いたとおっしゃっていましたけど、他にはどういった国から来ている方でしたか? 瑚彩様:国で見ると、日本人が一番多かったのがちょっと意外でしたね。日本人がいないと思っていたら、私を含めて3人いました。でも本当に多国籍で、ドイツ、ウクライナ、トルコ、シンガポール、イギリス、アメリカ、スペインなど様々でした。みんなほとんど当たり前みたいに英語を話していて。あとはドイツ語を話せる人も結構いました。シニアのほうだと韓国、中国、日本といったアジア系と、オーストリアやイタリア、デンマークなどヨーロッパ系まで様々でした。国際色豊かなメンバーでしたね。 -皆さんの演奏はどうでしたか?生徒の皆さんがお互いの演奏を聴く機会もありましたか。 瑚彩様:そうですね、演奏会で。全員が一回コンサートで10分〜15分程度の曲を演奏しました。1人15分〜20分のプログラムを構成するファイナルには、4人が進出できるという仕組みでした。コンサートは演奏する場所までバスで行って、全員が聴きました。毎回コンサートの場所が違ったのもおもしろいなと思いましたね。印象に残ったのは、みんなすごい曲を弾いているなということです。プロコフィエフとかリストとか、指をたくさん使う曲というか、すごく技巧が多い曲を皆さん弾いてらして。やっぱりこういうところに来る人はすごいの弾くんだな、と思いました。でも、これを言っていいのかよくわからないですけど…聴いていたときに、すごい曲を自分のものにしているというか、そういう風に聴こえる人っていうのが、私の観点だと、少なかったのかなって思いました。上手に弾いてるけれど心に響いてこないな、といった感じです。そして、心に響いてくる、この人の演奏好きだな、この人ファイナルに行くな、って私が思った3人が実際ファイナルに行ったんですよ。だから、自分の音を持っているんだろうなと。自分をそのピアノで表現している人は、やっぱり技巧だけじゃないなぁ、と思って。雰囲気とか、オーラがあるんだと思います。生意気なこと言って、自分はどういう演奏をしていたのかはお客さんとして聴いていないのでわからないんですけれど…。すごい子はテクニックもすごいけど、ちゃんと心に入ってくる演奏をしていた、ということに感動しました。私もそんな風に人を感動させる演奏をしたいです。 -練習はどこでされてましたか? 瑚彩様:練習は、何台ものピアノがそのアカデミーにあって。Steingraeber & Söhne のピアノでした。練習室がたくさんあって、あなたは何時から何時まで練習、っていうのがスケジュールでちゃんと決められていました。どの部屋にもアップライトピアノかグランドピアノが一台あって、レッスン前はグランドピアノの部屋で練習できた時もありました。グランドピアノの部屋が、レッスンをする部屋も含めると計5部屋、あとはアップライトが計11部屋。全部で16台そのアカデミーにピアノがあることになりますね。練習時間になったらスケジュールに書いてある部屋に行くんですけど、自分の時間になっても中から音が聴こえるときがほとんどで。この部屋使っていいのかな?って許可とりたくなるじゃないですか。ノックして、誰もいなかったらこの部屋で練習しようみたいな、そんな自由な感じに使われていましたね。その時どうしようって最初思っていたんですけど、普通にノックして、私の時間なのでって言うと、ああそうなのね、すみません、みたいな感じのくだりができて。日本ではなかなか見られない光景かもしれないなと思いました。 -みんな時間になったら出る、という感じではないんですね。 瑚彩様:私にはそれが普通だったので最初は驚きましたね。人がいなくてすんなり入れる時もあったんですけど、いろんな部屋から常に音が聴こえるという感じでした。あとは朝から晩まで、ずっとピアノの音が聴こえていました。ジュニアとシニアはスケジュールは違いますが、同じアカデミーで練習するんですね。友達曰くシニアの方も長い間練習していたみたいで、夜に閉館するまで弾いていた人もいました。 -レッスン以外のときは皆さんでどこか行ったりとかしていたんですか? 瑚彩様:友達とスーパーに行くとか、アイスを食べに行くとかですかね。特に出かける予定のないときは、ルームメイトの子がスマホでドラマを見ているのが多くて。その子とそれを一緒に見たりした時もあったんですけど、一人でスマホをチェックしたり音楽を聞いたり、疲れていたら寝るとか、割と自由にしていました。でも大抵、談話室みたいなところで友達と集まっておしゃべりしたり、truth or dareというゲームをして盛り上がっていました。truth or dareというのは、私達が遊んだのは日本でいう21ゲームと王様ゲームを足したような感じですかね。色々遊び方があるとは思うんですけど、数を順番に言っていって最終的に21を言った人が、みんなに質問された答えを言うか命令されたことをやる、という。ほとんどそれではしゃいでいました。色々な質問や答えが飛び交って、彼らを知る機会にもなるし、面白かったですね。 -気候は暑かったですか? 瑚彩様:ちょうどいいとしか言いようのない、爽やかな風があって気持ちよかったです。日本の夏だとと湿度があって結構過ごしにくい夜があると思うんですけど、着いた時の夜はそんなの一切なくて。ちょっと肌寒いけれど、心地よい気温だったんです。暑い日もあったんですけど、39度とか40度とかそんなふうには上がらなくて。本当に過ごしやすい日ばかりでした。だからみんな半袖とかで過ごしてましたね。夜とかは暑かったときもあったんですけど、窓を開ければしのげる暑さで。講習会の最後では、楽しい思い出以外にも、この気候から帰りたくないっていう思いでした。 -外に出られたとき、治安とか大丈夫でしたか?安全面で不安はあまりなかったでしたか? 瑚彩様:オケの旅行で行ったところは、スリに気をつけてと言われることが多かったんです。肩掛けバッグの中のお財布は知らないうちに盗られるからって言われました。腰の前にポーチをつけて、ちゃんとチャックも閉めてたのに、財布とクレジットカードを盗まれたという方もいたと聞いて。私は幸い被害に遭いませんでしたが、そういう印象も結構あって。あとは物乞いする子どもがいるところもありました。しかし今回行ったシュリッツは、全然そんなことなかったです。スリにも遭わず、不審者にも会わず。田舎の方だったこともあるんでしょうけど、平和でした。ちなみにアカデミーやゲストハウスに入るには4桁の番号を押してドアのロックが解除されるという仕組みになっていたので、安全でした。 -外に出られるときは基本1人じゃなくてお友達と一緒に、という感じですかね? 瑚彩様:そうですね。友達といったほうがお話もできて楽しいので。大体一緒にいた友達とスーパーに行っていました。ただ私がスーパーに頻繁に行ったのは、飲み物が炭酸のものばかりだったからなんですよ。自販機にあったのが、水、リンゴサイダー、レモンサイダーとコーラとか。やっと水に出会える!と思ってお金を入れたら、ぬるい炭酸水の瓶だったという。蓋を開けたとたんに泡が出てきてこぼしてしまうというエピソードが誕生しました。私はいつもお茶やガス抜きの水が普通で、あまり炭酸水が好きではないので、これは困ったと思って。だからスーパーに行って、最初は0.5L入りのVolvic 6本入りを買っていったんですけど、飲むものがそれしかなかったので2日で飲み干してしまって、0.75Lに量を増やして。結構な頻度で買い出しに行っていました。もうスーパーに行く理由は基本的に水の調達、といった感じで。歩いても行ける距離だったのが助かりました。水と、あとは朝食が間に合わなかったとき用のバーとか、お菓子とかでした。お茶はやはり恋しくなりました。 -歩いてどれぐらいで行けるところなんですか? 瑚彩様:10分くらいだったと思います。 -割と近い所にある感じなんですね。 瑚彩様:そうですね。いい散歩、ぐらいだと思います。それとスーパー以外にもアイスクリーム屋さんが数軒あって、スーパーの帰りに寄ったり、アイスクリームが食べたくなったら1ユーロで買って食べていました。 -宿泊はどういったところに泊まっていたんですか? 瑚彩様:講習を受けたアカデミーと同じ敷地内にゲストハウスがあって。歩いてすぐのところに。 -アパートみたいな? 瑚彩様:いや、寮みたいな感じですかね。私は二人でルームシェアだったので、ベッドが二つあって、洗面所がひとつありました。クローゼット、トイレ、洗面台、シャワーが共用でありました。ユニットバスではなくて、立ってシャワーする感じです。部屋に入っても何もないことは言われていたんですけど、まさかハンドソープまでないとは思わなくて。迂闊でした。タオルがあるだけで。幸いそのルームメイトの子がハンドソープを持っていたので、借りて使っていたんですけど。テレビはありませんでしたが、あってもドイツ語だけでしょうし、なくても全然苦になりませんでした。それと個人的に気に入ったのは布団で、すごくふかふかしていて。好みはあると思いますが、気持ちよく寝れました。 -ネットはちゃんとつながりましたか? 瑚彩様:ゲストWi−Fiがあるということは聞いてたんですけど、万が一を考えて空港でイモトのWi−Fiを借りました。ポケットWi−Fiです。それでいつもやりくりしていました。使わない時は電源を切って充電して。Wi−Fiを持っている友達もいたので、たまに接続が悪い時、充電が切れそうな時はそれを貸してくれました。 -ルームメイトは何人ぐらいいらっしゃいました? 瑚彩様:私の部屋の場合は1人だったので、2人で部屋を使っていました。他の部屋は計3人のところもあったみたいです。2人か3人で部屋をシェアする仕組みなんだと思います。でも友達を自分の部屋に入れて遊んだり。何人部屋であろうと、出入りも自由でした。夜遅くにはしゃいでるとさすがに怒られますけど。私のルームメイトの子が、夜の2時ぐらいになっても平気で騒いでいたんです。うるさいのは別に勝手だけど、周りも起こしちゃうし、怒られるんだよ、って言ってもなかなか理解してもらえず、3回怒られてしまって…。 -ルームメイトは何人の方でしたか? 瑚彩様:イギリス人で、パーセルスクールに通っていました。彼女の友達2人もそこに通っていて、彼らと私で仲良くしていました。ただ、夜にうるさいと苦情が来た時にいつも謝るのは私でしたね…。年下だったこともあるのかなと思いましたが、もう少しそこは注意してほしかったかなと。もちろん楽しい思い出もたくさんありました。 -若い分、自分の国を離れてうきうきしちゃったんでしょうね。 瑚彩様:そうなんでしょうね、楽しいのは分かるんですけどね。注意してもなかなか聞いてもらえなかったので、逆に私が鍛えられましたね。 -宿泊先、泊まっているところから講習会までは歩いて移動ですか? 瑚彩様:はい。でも徒歩何分とかじゃなくて、ほぼ目の前にありました。歩道があって、その向かいに講習会場があって。ゲストハウスの横に、行けなかったんですけどコンサートホールもあって。本当に歩いてすぐでした。その同じ敷地内に、小さい森みたいな、公園かな、すごい木に囲まれた場所があって。犬の散歩をする人や、自転車が通れる道も敷いてありました。一般の人も通れる所でした。私はドイツ語のレッスンが終わったあと、気分転換に歩きながら習ったことを音読していました。空気も景色もきれいだし、歩き回っていましたね。やはり環境がすごいよかったです。本当に帰りたくなかったな。 -お昼や夜ご飯はどういったものを食べていましたか? 瑚彩様:一言で表すと、芋でした。ドイツの名産食べた?と友達からも聞かれたんですけど、これといったものは食べなかったかな、という。テレビで見るようなメニューは出てこなかったと思います。でもやはりポテトと肉がメインでしたね。チキンや魚、米も出ました。日本の米とは全然違いましたが。言っていいかわからないですけど、美味しいと思えるメニューが私的には少なかったです。でも三食作ってくれていたので、しっかり食べました。外食するという手もあったんですけど、申し訳ないし、何より知らない国で迷うのは怖いので…。残していた人も結構いたんですけどね。米と、魚にソースのかかった料理や、フルーツカレーのような料理が不評でした。これはどうやって命名すればいいんだろう?っていう料理が結構ありましたね。一緒にいた友達は、みんなおいしくないって言ってて。なんて言えばいいのか分からなくて曖昧に濁していたんですけど。それと、ルームメイトの子がベジタリアンだったんです。ベジタリアンメニューもあったんですが、肉に見えるものもあって。野菜もあったんですけど、彼女の好みには合わなかったみたいで、結局彼女が食べてたのはほとんどパンでした。そこは心配になりましたね。でも、私はそんなに不味くはないかな、っていう感じでした。外食に行ったエピソードとしては、コンサートの帰りに2回ほどメンバー全員でピザを食べました。最後のパーティーもまた違うピザ屋でやりました。なぜドイツなのにピザ?とつっこみたくなりましたが、美味しかったです。あとはシニアの方に、日本人メンバーで外食行くんだけどどう?って誘われたんです。留学されている方もいるし、人脈広がるかも!と思って行ったのがインド料理屋さんでした。タージマハルっていう名前が面白いなと思いました。驚いたのは、メニューにはないけどカレーを作ってくださったこと。ケイジャンチキンと数種類のカレー、ラッシーを、大勢で美味しく頂きました。 -海外の人たちとうまく付き合うコツみたいなのがあったら教えてください。 瑚彩様:父がアメリカ人の私は、小さい頃から結構英語に慣れ親しんできたほうだと思うんです。だから文法とか考えなくても、ある程度のレベルまでなら英語が話せるという感じで、言っていることは割と理解できて。ただ、まだまだ語彙力が足りなかったです。言いたいことが伝わらない、ということも多かったですね。コミュニケーションはとれていたんですけど、理解しきれないところもあったのが残念でした。そこで大切なのは、相手の話をちゃんと聞くということかなと思いました。真剣に耳を傾けてくれる人だと、なんとかして伝えようっていう気になりますし。それと、自分から積極的に話していかないと言いたいことが伝わらなかったり、話題が作れなかったりしました。といっても、参加していた人全員と話せたわけじゃないし、数人と仲良くしていたんですけど。英語が分かると、会話に参加できなくても内容は分かるので、言語の大切さと、積極的にならなければいけないことは痛感しましたね。 -なんとなく、普通にコミュニケーションとって、という感じですかね。 瑚彩様:そうですね。でもなんとなくというよりは、自分から英語を話して、あとはちゃんと聞いて。分からないことがあっても次に繋げることも大事ですね。そこで黙っちゃって終わり、ということもあったんですけどね。やはりお互いコミュニケーションをとろうという気持ちがないと、どっちかが折れるか、聞いていられないってなるか。せっかちな人とかもいると思うので。何が言いたいの?っていう雰囲気になられた時に、やっぱりいいやって折れちゃうと、お互い通じなくなると思います。言語の壁はあると思いますが、しっかり話していくことが大切だなと思いました。 -留学中に何か困ったことはありますか? 瑚彩様:洗濯ですかね。自分で洗濯物を持っていって、3ユーロ払って洗濯機で洗濯してもらうといった流れなんですが、乾燥機がないのを忘れていたんです。取り出した時に濡れていて、乾燥機はないのかと聞いたら、当たり前でしょと返されて。ああそうか、干すんだったなと。ラックがあるからそれで干してと言われ、乾かすんですが、それにとても時間がかかったんです。室内干しで、それも日光があまり当たらないところで。乾いたのにラックを占領するのもいけない、と思ってちょくちょく様子を見に行っていたんですけど、全然乾かない。12時ぐらいに洗濯しに行ったとしたら、16時、17時まで待っていないと乾かなかったですね。それも洗濯も毎日できるっていうわけでもなくて。日にちと時間が決まっていて、それを狙って洗濯をするんですね。早い者勝ちだったので割と早めに行っていました。ただ一回だけ、計算を間違えたのか洗濯をしなかったんですよ。そしたら靴下が足りなくなってしまってしまったんです。裸足でスニーカーを履くのはさすがにちょっとなぁ、と思って、お恥ずかしい話になるんですが、石けんで洗って干して、髪用のドライヤーで乾かしてやりくりしました。靴下はあまり持ってきていなかったので、それでやり切って。あとは着られる服を選別して着るという。だから、暑すぎず寒すぎず、汗をそんなにかかない気候で助かりました…。 -今回の講習会に参加してよかったなと思った瞬間があったら教えてもらってもいいですか? 瑚彩様:言語面では、言いたいことがなかなか伝わらなかったり、言っていることが分からなかったり、コミュニケーションが取りづらいこともありました。でも、友達との英語でのおしゃべりやみんなの演奏を聴けたり、ドイツの街並みを堪能できたり。日本では経験できないことをたくさん素晴らしい思い出にできました。忘れられない思い出のひとつに、こんなことがあったんです。私が演奏したコンサートで、1部と2部の間の休憩のときに、家族で来ていた奥さんが、あなたの演奏はとても素晴らしかったわ、ってわざわざ伝えてくださったんです。そこでは、ファイナルに残る2人も弾いていたんです。でも彼女が全員の演奏が終わった後に、私のお気に入り、やっぱりまだあなただったわ、と言ってくださって。演奏って、自分がうまく弾けると嬉しいし、逆にもっとできたなって思う時もあります。その時まだ満足のいく演奏ではなかったと思いましたが、初めて会って自分の演奏を聴いてもらった人に、すごいよかったよ、と言ってもらえるのがとてもうれしかったんです。さらに、ドイツ語のレッスンで、課外授業といった感じでしょうか、街に繰り出して、街にある様々な単語を習うといった時があったんですね。展望台に登って美しい景色を見たりだとか、パン屋に行ったりだとか。そしてその行ったパン屋で、偶然、私の演奏を褒めてくださった奥さんがいらしていたんです。お互い気づいて、彼女に少し時間をくれと言われて。何だろうと思って行ったら、プロでもないのにサインを書いてくださいと言われたんです。果たして、こんな光栄なことがあるのだろうか、としみじみと思いました。コンサートから数日経っているのに、あなたの演奏すごい好きだったよ、とまた言ってくださって。聞かれたのでファイナルには残れなかったんですと言ったら、え?行くと思っていたのに!と言われて。まだまだ足りないことはありますが、そう言ってもらえたのがとてもうれしかったですね。名前のサインと、ありがとうとメッセージを書いてあげたら、彼女もその旦那さんも子どもも、家族で笑顔になってくれて。みんな最後に握手までさせていただいて、それはもう、とっても心温まる瞬間でした。演奏は人を笑顔にするためにもあるのだと、誰かの笑顔のために弾くのだと。自分の演奏が、誰か1人でも幸せって思ってもらえたり、お気に入りの1人になれることは、やっぱり最高に素敵なことだなと思いました。 -今回ご自身で変わった部分、成長したなと思うことってありましたか? 瑚彩様:日本では割と10分前行動とかよくあるじゃないですか。集合時刻の少なくとも5分前までには集まるという。ルームメイトの子とその友達がよく一緒にいて、最初は彼女達と一緒に行かなきゃ、といった集団的心理が働いたんです。でもそのうち、同じ部屋ではあるけど言ってもダメなら、自分は先に行って時間を守らなきゃと気づいて。日常生活では、誰かを待っててあげるっていう、集団で行動することが多いと思うんですね。でもそこではそういうのがなくて、自分のしたいことをその時するっていう。もしかしたら彼女たちだけだったのかもしれませんが…。何をするにも自己責任というのが多かったです。先程鍛えられたと言いましたが、自分で時間をしっかり守って自主的に行動することができるようになったと思います。自分で考えて理解して行動に移す、といったパターンですかね。分からなかったら聞かなきゃいけないっていう状況に置かれていたので、後に家族からテキパキするようになったね、と言われました。一時的なものかもしれないんですけど、自分から進んで行動するっていうのが向こうでは大切だったので。 -今後留学をする人にアドバイスがあったら教えてもらってもいいですか? 瑚彩様:英語が話される地域に行くと、本当に日本語を話す人がいないんです。日本人がいたとしても、彼らとだけになります。スタッフさんも空港も、日本以外は全て英語でした。だから、英語が分からないと結構辛いのかなと思います。講習会のスケジュールも英語で書かれていますし、掲示板も英語でした。コミュニケーションをとるにも、日本人の方と一緒にいるならいいんですけど、せっかく国外まで来たんだから、いろんな方と交流を深めることをしたいなと私は思って積極的に英語を使いました。みんなと仲良くなれるわけではなくても、母国語でない言語で話し、異文化に触れるというとてもいい機会になるので。だから、コミュニケーションツールは、言語に関わらず、誰か友達を作っていくと、話したり遊べたりで楽しいです。思うように話せなくても相手が聞いてくれると、会話ができるので。知っている単語を並べていけば、予測もされやすいと思いますし。それと、ルールを守ること。レッスン時間はもちろん、コンサートに行く時のバスだったり、時間厳守の機会は結構ありました。守れなかったときに自分が損するだけならまだいいんですけど、迷惑をかけてしまう人もたくさんいる場所なので。自分のことは自分でしっかりやるという責任感があったほうがいいと思います。それと友達を作れば、一緒にいると聞けるし、自分も話せるし。誰か話せる人がいるほうが、様々な面でも心強いし、何より楽しいと思います。 -今後の活動とか進路、目標みたいなものがあったら教えてもらえますか? 瑚彩様:今回ドイツへ行って講習会に参加し、様々な面で鍛えられましたし、気候や街並みもとても好きでした。来年はまた、違う国の講習に行ってみたいなと強く思いました。それと何より思ったのは、日本は狭いなということ。集団的だったり、価値観は多数派が一般的であったりすると思うんです。それもそれでいいとは思うんですけど、私はもっと個人の意見が生きてくる、自由な雰囲気が好きかなと思います。だから、高校を卒業したら、ヨーロッパへの留学を考えています。国は決まっていないんですが、音楽が身近にあり、人種や生き方がたくさんあるところでピアノを、音楽を学びたいなと。日本はそうではなくて悪いと言うわけではないんです。ただ、音楽にしても、様々な作曲家の生まれの国であったりとか、名ピアニストがその国で育ったとか。そういうことをしっかり調べて、自分の好きな音や文化のある国を見つけて勉強したいと思っています。 -貴重なお話をありがとうございました。

Hさん/ウィーン国際音楽ゼミナール

Hさん プロフィール―簡単な自己紹介と現在までの音楽歴を教えてください。 H様:現在高校2年生で、去年の4月から音楽高校に通っています。3歳からヴァイオリンを始めました。 ―これまで国内外で講習会に参加したことはありましたか? H様:国内の講習会はありますが、海外は初めてでした。 ―この講習会(ウィーン国際音楽ゼミナール)へ参加したきっかけや理由はありますか? H様:本場の音楽を学びたい気持ちが強く、これまで海外の先生から習ったことが1度もなかったため、参加を決めました。海外の中でもウィーンは有名な作曲家たちが生れた場所ということもあり、自分の中でとても興味があった街でした。 ―講習会の様子について教えてください。 H様:私が参加した期は全専攻で20名程度、うちヴァイオリンは5名ほどで、年齢も中学生から大人の方まで、幅広い世代がいました。日本人の参加者が多く、海外の方は数名ほどでした。 レッスン自体は、2週間のうちの4日間で、参加者コンサートの機会もありました。 ―なるほど。レッスンの様子はいかがでしたか? H様:レッスンを受けたエリザベート・クロプフィッチュ先生はとても親切で、私がわかるまで丁寧に教えてくださいました。バッハやモーツァルト、ブルッフの作品を持っていったのですが、まだ技術的に足りないことから、それぞれの作品の様式の違いまで深いところまで教えてくだり、とても勉強になりました。ウィーンということもあり、モーツアルトについては音楽史など特に詳しく教えていただき嬉しかったです。レッスンはドイツ語だったのですが、通訳がいらっしゃったので全く支障ありませんでした。 ―参加者コンサートはいかがでしたか。 H様:参加者コンサートは2回いろいろな会場で行われ、8月27日から9月7日までの期間中、8月31日は郊外の教会で、9月6日は校内のホールで参加者コンサートがありました。私の場合、先生に推薦いただき教会でのコンサートに出ました。バッハとブルッフを演奏したのですが、教会はよく響いてとても気持ちが良かったです。 ―それは貴重な経験ですね。 練習はどうされていましたか。 H様:ホテルでも練習して良いとのことだったのですが、想像以上に音が外に漏れてしまうので、地下のピアノ部屋を使っていました。ただ、学校の練習室が思ったよりも空いていたのでそこで練習することが一番多かったですね。 ―レッスンや練習以外ではどのように過ごされていましたか。 H様:シェーンブルン宮殿など有名な観光地を一通り巡りました。オペラ座にも行きました。交通の便や治安もよく、便利で安心して過ごせる街という印象が強かったです。 ―ホテルはいかがでしたか。 H様:部屋は少し狭く、設備も最低限でしたが、フロントの方もすごく親切で、過ごしやすかったです。講習会会場までトラムを使えば15分ほどで着けたのもありがたかったです。エアコンが無いため、気温の高い日は窓を開けない暑いと感じることもありました。洗濯機もあったのですが、使い方が少し難しいということだったので、持参していた洗剤で手洗いをしていました。宿泊先に同じ講習会に参加している日本人も多く、朝食などご一緒したこともありました。 ―食事はどうされていましたか。 H様:昼食は、現地のマックによく行きました。日本と異なりパネルで注文するので店員さんと会話しなくても注文でき、とても楽でした。あとはザッハトルテがとても美味しかったです。値段も日本と大きく違いは感じませんでした。 ―海外でコミュニケーションとるときに工夫されたことはありましたか H様:とにかく笑顔で挨拶して、話せなくても相手の方に伝えようとする気持ちが大事だなというのはすごく思いました。ドイツ語で少し話そうと思ったのですが、通じにくかったので英語が多かったですね。 ―現地で困ったことなどはありましたか。 H様:帰国日の二日前にパスポート盗難に遭いました。観光地の人混みを歩いているとき、ショルダーバッグを見たら、気づいたらすられていた、という感じです。すぐに日本領事館や日本の役所に連絡をとり書類の手続きをして、飛行機チケットの取り直しなどを行いました。新しいパスポートも想像よりも早く発行でき、最終的に予定の一日遅れで帰国できましたので今となってはいい経験だったと思います。 ―大変だったと思いますが、安全にご帰国できたようでよかったです。今回の講習会を通じての感想はいかがですか。 H様:技術的な面でも成長でき、何より本場の先生のレッスンが受けられたことがすごく自分の中でも嬉しく、これからまた頑張ろうという気持ちにもなれました。 レッスンも注意される点は、あまり日本の先生とは変わらなかったのですけど、音楽に対する気持ちや深さなど、現地で初めてわかるものがありました。 気候の面でも日本と違い空気が乾いていて、建物も石造りのためとてもよく響いて、楽器も鳴りがまるで異なり、弾いている身として気持ちがよかったです。 ―なるほど。それではこれから留学をする人に向けてアドバイスはありますか。 H様:一番困ったのは言葉の面だったので、語学をしっかり勉強しておいたほうが良いということです。私自身、これからもっと頑張って勉強しようと思いました。 ―最後に、今回の留学を経ての今後の目標を教えてください。 H様:今回のウィーン国立音楽大学の音楽環境がとてもよかったので、またレッスンを受けに行きたいと考えています。演奏だけではなく、語学の勉強も頑張ろうと思います。 ―応援しています。インタビューへのご協力をありがとうございました。

M.Kさん パリ国際音楽アカデミー

M.Kさん パリ国際音楽アカデミー プロフィール-まず簡単な自己紹介をお話しいただいてもよろしいですか? K.M様:ピアノを始めるきっかけはヤマハ音楽教室で、その後音楽科のある高校を経て、音大を卒業し、現在は大学院に在籍しています。 -今までに講習会や、海外のマスタークラスにご参加されたご経験はございますか? K.M様:ありませんでした。講習会に参加するのも、海外に行くのも初めてでした。 -海外の講習会に参加しようと思われたきっかけはありますか? K.M様:ヨーロッパで勉強することに憧れがあったという事と、ここ数年、漠然と今のままではいけないと思っていて、その状況を変えるきっかけが欲しかった事が講習会に参加しようと思ったきっかけです。 -様々な講習会があるなか最終的にパリの講習会にした、決め手は何だったんですか? K.M様:夏休みの期間が今年は長かったので、モチベーションを下げない為に夏休み後半に行けたらなというのがあって、ちょうどいい時期であったという事と、あと師事している先生に幾つか候補を見て頂いて、勧められたものという二つの理由で決めました。 -なかなか後半の時期で講習会っていうのは結構少ないんで探すのが難しいですよね。実際参加されたパリ国際音楽アカデミーにはどれぐらいの方がいらっしゃいましたか? K.M様:全体で集まるということがなかったので正確な人数はわからなかったのですが、参加者は結構いらっしゃったような印象です。 -同じ先生のクラスには何人ぐらいの生徒さんがいらっしゃったんですか? K.M様:私含めて4人いました。 -参加されてた方は、日本人の方が多かったですか? K.M様:日本人の方は私が知る限りで7人程いらして、因みに私のいたクラスには、日本人は私だけで、他にはフランス人の方が2人、あと韓国人の人が1人というメンバーでした。 -何かお話されましたか? K.M様:はい。普通に色々と日常会話的なことを話しました。コミュニケーションを積極的にとろうとしてくれたのですが、なにせ私の語学力が弱くて。なので雰囲気で会話をしていました。 -皆さん女性の生徒さんですか? K.M様:フランス人1人が女性の方で、ほか2人は男性でした。 -同世代ですか? K.M様:フランス人の男の子は14歳ぐらいで、先生の甥っ子。韓国人の方は私と同世代かなという感じでした。あともう1人、フランス人の女性の方は20代後半くらいだったかと思います。 -結構年齢層が幅広いんですね。 K.M様:そうですね。 -講習会は具体的にどんな感じのスケジュールで組まれていましたか? K.M様:ほぼ毎日のようにレッスンがあって、最終日にクラスごとのパブリックコンサートがあるという感じでした。 -レッスンは1回大体何時間でしたか? K.M様:1レッスン1時間という話だった気がするのですが、結局1時間半ぐらい見て頂いたような気がします。 -たっぷり見ていただいたんですね。先生の指導の仕方っていうのはいかがでしたか。 K.M様:理論的にも教えて下さるし、ときには曲のイメージを先生が実際に演じて伝えて下さったりする感じでした。 -何曲ぐらいご準備されていかれましたか? K.M様:曲数は、3曲程です。 -全部一通り見てもらったんですか。 K.M様:はい。 -先生の人柄というか、雰囲気はどういう感じでしたか? K.M様:エネルギッシュで、ユーモアのある先生でした。今回の講習会で知り合った友人の先生のレッスンも見たのですが、対照的でした。 -ご友人の先生はどんな感じでしたか? K.M様:私の先生の場合、椅子に座っているのは最初に通して弾いてるのを聞いてるときぐらいで、ほかは立って動き回っているような感じでした。友達の先生はピアノの横にずっと座って、ときには実際に弾いて、こういう感じで、とかってやったりはするんですけど、そんなに動かない感じ。落ち着いた感じでした。 -通訳さんとか、周りのスタッフさんはいかがでしたか? K.M様:スタッフの方々はすごく優しかったですね。片言の簡単なフランス語しか分からない様な状態のまま行ったんですけど、練習室を借りるときは、S'il vous plaîtと言うだけで、すぐ練習室を貸出してくださったし、またその時に、グランドピアノがいい?とか聞いてくださることもあったり。通訳の方は、サポーターも兼ねてらっしゃって。AndVisionを通して講習会に参加している方々には、少なくても1回は、1対1で一緒にランチに行ってカウンセリングをして下さいました。レッスン中の通訳に関しても、普通の会話はもちろん、音楽用語にも詳しい方だったので、大変助かりました。 -今回レッスンで教わったことで印象に残っていることはありますか? K.M様:当たり前の事ですが、楽譜をちゃんと読むということです。楽譜を大雑把に読む癖があるので。 -楽譜が伝えていることをピアノでしっかり表現しよう、みたいな感じなんですかね。 K.M様:はい。 -レッスン自体はフランス語で受けられたんですよね? K.M様:はい。通訳さんがいらっしゃったので、先生にはフランス語で基本レッスンして頂いていました。 -先ほど、クラスメイトの方とは何語で会話されてましたか? K.M様:英語です。 -じゃあフランス人の2人も英語を話す感じですか。 K.M様:はい。 -レッスンの最後にコンサートとか、閉会のセレモニーみたいなのありましたか? K.M様:閉会セレモニーはありませんでした。ですが、コンサートはクラスごとに絶対にあって。クラスの人数が多いところはクラス内で選抜という形をとっていたのですが、私のいたクラスの場合、人数が少なかったので全員演奏させてもらえました。 -実際に演奏されてみてどうでしたか? K.M様:日本でのクラシック音楽の演奏会というと、自分の中では漠然とですが硬いイメージがあって、実際に演奏する側の立場になる場合も、すごく硬い雰囲気を感じていたのですが、今回そのコンサートで弾いたときは、歓迎してくれるというか、雰囲気的に弾きやすかったです。 -演奏された場所はどこですか? K.M様:講習会会場の中にあるそこまで大きくないホールです。 -何人ぐらい入ってらっしゃいましたか? K.M様:コンサート自体がパブリックコンサートで、講習会に参加していない人でも誰でも入っていいですよ、という感じでした。実際にいたのは10人ぐらいで、そんなに人はいなかったです。 -クラスごとに講習会に参加されている生徒さんを観たりしました? K.M様:友達が出るコンサートを2つ程聴きました。 -観客の方も温かく迎えてくれたという感じなんですね。練習自体はどこでされてたんですか? K.M様:ステイ先にアップライトピアノがありましたが、ほとんど学校で練習していました。 -学校の設備的にはどうですか? K.M様:設備的には、清掃員さんが定期的に掃除をして下さるので、レッスン室もお手洗いもきれいでした。練習で貸し出されるのは大体アップライトのピアノだったのですが、レッスンが全部終わった後であれば、レッスン室のグランドピアノを貸してくださる感じでした。 -結構争奪戦みたいな感じですか? K.M様:いや、そんな風ではなかったです。私の場合は借りられなかったことはほとんどなかったです。 -じゃあ結構な数があるという感じですか。 K.M様:一応、講習会参加者それぞれに練習室が割り当てられていました。私の場合は、同じクラスの韓国人の方とペアで1つの部屋を用意されいました。人のよっては1人で1部屋の割り当てがされている場合もあったようです。2人で1部屋を割り当てられている場合は、話し合って練習時間を割り振るように言われていて、その通りに使っているペアもいらっしゃったようですが、私達の場合は特に決めることなく、使いたいときに受付に鍵を借りに行って、もしその時に使用中であれば他の空いている部屋を手配してくれる、という感じだったので、練習室に困ることはなかったです。 -じゃあその韓国人の子とかぶっても大丈夫という感じなんですね。 K.M様:はい。 -大体どれぐらい練習されていましたか? K.M様:3、4時間ぐらいです。 -日本で練習されるときと変わらない感じですか。 K.M様:そうですね。でも、どの部屋もグランドピアノが置いてあるわけではないので、準備は日本にいるうちにしっかりされた方が良いと思います。 -レッスン以外、練習されているとき以外はどんなふうに過ごされてましたか? K.M様:観光に行きました。 -街のようすはいかがでしたか? K.M様:パリ市内だけでも、地区によって治安の良さは様々でした。 -どこか遊びに行ったところはありますか? K.M様:パリに留学されている先輩に1日だけ、観光案内をして頂きました。ルーブル美術館、オルセー美術館など、あちこち連れて行ってもらいました。 -宿泊先はどこに泊まりましたか?対応はどうでしたか?宿泊先の設備はいかがでしたか? K.M様:ホームステイだったのですが、すごく良い家庭でした。メトロへの行き方や、切符の買い方も教えてくださいました。 -宿泊先と講習会場はどのように移動しましたか? K.M様:メトロで移動してました。 -海外の人達とうまく付き合うコツはありましたか? K.M様:積極的に話すことですかね。 -今後留学する人にアドバイスしておきたいことなどありますか? K.M様:当たり前のことと思いますが、やはり、語学力とコミュニケーション力をできる限り上げておくといいと思います。 -今後の活動は?進路などありましたら教えてください。 K.M様:また、海外で勉強できるように、準備していきたいなと思います。

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