加茂愛里さん/声楽/ロセッラ・レドーリア・・アンドビジョン特別プログラム/イタリア・ミラノ


加茂さんプロフィール
幼少のころよりピアノ、トランペットを演奏し、高校より声楽を本格的に始める。東京音楽大学声楽科卒、現在はフリーの音楽家として活動中。
-よろしくお願いします。
まずは簡単な自己紹介ということで、今までの略歴を教えてください。
加茂 加茂愛里です。声楽は高校一年生の頃からやり始めて、高校は音楽科で、大学は東京音楽大学の声楽科に通っていました。
-ずっと歌ってこられているということですよね?
加茂 そうですね。
-歌以外は何か楽器などをされていたりするんですか?

加茂 小学生の頃に3年間だけマーチングバンドに所属していて、トランペットを演奏していました。あとはピアノはずっと習っていました。
-今まで講習会とか、海外に行かれることはありましたか?

加茂 いえ、今回のイタリア留学がはじめてです。
-海外自体もですか?

加茂 サイパンに行ったことだけあります。なので、本当に一人で海外は初めてです。だから不安しかなかったです。
-そうなんですね。結構大丈夫そうだと思っていたのですが(笑)

加茂 いえいえもう、不安しかなくて(笑)。ミラノについた瞬間に送迎がきてるかも、飛行機の中でずっと考えていました。
-それは大丈夫でしたか?

加茂 はい。一番先頭に立っていてくれました。
-今回のプログラムで向こうに留学してみたいと思ったきっかけ・理由は?

加茂 きっかけは声楽を始めて高校に入学した頃に、一番最初にイタリア歌曲を勉強して、その頃からずっといつかイタリアに行きたいと思っていて。なので大学院で勉強するのではなくて、イタリア留学のために働こうと思って院には行かずに。
-向こうではどんなスケジュールでしたか?

加茂 月曜から金曜まで毎日朝10時から昼1時15分まで語学学校があって、レッスンは毎週月曜の午後3時から4時でした。土日は何もないので、ミラノの郊外とかみたい街にいったり、スカラ座でオペラをみたりしました。
 
-毎日充実してましたか?
加茂 はい、すごいしてました。
-先生はどんな感じの方でしたか?

加茂 ロセッラ先生はすばらしいです! 私は大好きです。私がもともと発声をみてほしくてそれを言ったら、発声にすごく時間をかけてくださって、でも後半はしっかり曲の内容をふまえた上での技術をみてくださったので。
で、ちょっとできない、、、となると、ちゃんと待ってくださって、できるまで。癖もわかってくれたので、その癖をなおすための発声法を考えてくださったり、本当に素晴らしいです。
-オリジナルというか。

加茂 そうです。あなたこういう癖があるから、この発声を家で練習してみなさい、と言ってくださったり。
-イタリアの先生は自分一人で練習しない方がいいという方がいると聞いたのですが?そんなことはなく?

加茂 イタリアの先生は自分が演奏活動をしてきた先生が教えることに向かないらしいと聞きました。日本人もそうだと思うのですが。できないのがなんでか分からないからレッスンがうまく進まないというか。。。
でも、ロセッラ先生はそうではなくて、私の癖をみつけてわかってくださって。次の週とかに「ほら、ここの癖がよくわかったでしょ?」と、すごくわかりやすく。ほんとうに素晴らしいです。
-レッスンの中で一番印象に残っていることは?

加茂 オペラをみていただいた時に、最初に先生が歌ってくださったのですが、それがなんて素晴らしい!という。印象に残っています。
-その後は先生が歌うことはなかったのですか?

加茂 いえ、私がその後に「先生の歌を聞くとこっちまで上手くなった気になります」と言ったら、結構歌ってくださって(笑)
-レッスンは全部イタリア語で?

加茂 はい。語学学校で学んだことを少しずつ使ったりして。それでも伝わらない所は通訳さんが細かく訳してくれるので、困ることはなかったです。
-練習はどちらで?

加茂 家です。
-どれくらい?

加茂 結構歌っていました。語学学校が終わって、そのまま家に帰ってきた時は午後から家で練習をして休憩して、とか。夜も10時まで練習できるので。
-学校とかレッスン以外の時間の使い方は?

加茂 私は教会をみにいったり、同居人の方がたまたまスカラの会員だったので、私にチケットを譲ってくれて見に行ったり。無料でゲネプロをみれるのですが、それを誘ってくれて無料でみたり。
あとは出かけたり、買い物したりお散歩したり。どこも景色が素晴らしいので、ずっと歩き回っていました。
 
-すごく楽しそうですね(笑)
街の様子はどんな感じですか?治安とか。
加茂 スリは大丈夫でした。だったのですが、危ない人がいるトラムがあるらしくて、夜一人で乗ったのですが、みんなに「本当に何もなくてよかったね」と言われるくらい。あと私が語学学校に通っている24番のトラムも危ないと言われたのですが。
-え?!そうなんですか?

加茂 はい。24番も危ないと。毎日乗っているやつが危ないんですよ。
-それは平気だったのですか?

加茂 私は何もなかったのですが、あんまり後ろに乗らない方がいいと。後ろにジプシーがいるからと。前の方は安全なので、前の方に乗っていました。カバンもしっかりもって、寝ないように気を付けました。
-トラムの中が危ないと。

加茂 中が危ないらしいです。気をつけなと最初の日にすごく言われました。何もなかったのですが。
-周りの人はどんな方でしたか?

加茂 いい人がたくさんいました。アンドビジョンを使って前に短期留学した方が住んでいたので、その方は今は長期で住んでいるのですが、「アンドビジョン使ってるんだね」という感じで話をしたり、いろいろ教えてくれたり。
あとは、声楽家の方がいたのですが、その方のレッスンを聴講させてもらったり。一緒に住んでいる方が通っているコンセルバトーリオに「リゴレット」が無料でみれるから、と練習風景をみにいったりと、普通ではできないことをたくさんしました。
-今でも連絡とりあったりしていますか?

加茂 はい、みんな夏に帰ってくるので、夏はこちらで会えたらと思っています(笑)
-普段は遊びに行くような所はあるのですか?

加茂 住んでいる所からトラム一本でミラノの中心地に行けるので、そこならいろんなお店があったり遊べる場所があったり。例えば女の子なら安いお店もたくさんあるので、お買い物も。ドゥオモの近くに行けばなんでもある感じなので。
-夜とかもみんな飲みにいったりする感じですか?

加茂 そうですね。ナヴィリオという所があって、夜になるとその近くは人がバ~っという感じで。たくさん人はいるけれど、あんまり安全な場所ではないというか。やっぱりみんなお酒を飲んでいるし。だから行く時は気をつけてねと言われたのですが、一人では行かなかったので大丈夫です。
-お友達と?

加茂 はい。
-普段食事はどうされてましたか?

加茂 近くにスーパーがあるので食材を買って、朝昼は家で。夜はミラノで友達になった方々と一緒にレストランにいったり、同居人の方が料理を作ってくれたり。めちゃくちゃおいしいんです!毎日料理を作ってもらったくらいの勢いで(笑)
あとは隣に住んでいる方と仲良くなったので、「今日は家集合で!」みたいな感じで、その場でいろんな方と出会ったり。本当に楽しかったです。
-宿泊先は日本人が多かったと思うのですが、学校とか外で海外の方と接することが多かったと思うのですが、うまくつき合うコツなどありましたか?

加茂 語学がわからなくても、とりあえずしゃべりかけた方がいいなと思いました。最初はわからないのでビクビクしていたのですが、このまま友達ができないのも寂しいなと思って必死にしゃべりかけたんです。それで仲良くなった友達は日本に帰ってきてからもメールしたりします。
-はじめの一週間は引っ込み思案な感じで?

加茂 いや、行ったのですが会話がスパッと終わるんですよ。先がないけど挨拶くらいはできると。最初の一週間はそこまで仲良くなれなかったけど、だんだん仲良くなって。知識も二人とも増えていくじゃないですか。だからいろいろ会話できたりして。
-今会話も大丈夫ですか?

加茂 まだまだ語学力は低レベルです。でも、行った時に比べたら意識も違うし、楽しいです。しゃべれるようになる自分が楽しくなってきます。だから自ら積極的にいった方がいいと思います。
-困ったことはありましたか?

加茂 特にないかなぁ。
-これを持っていっておいた方がよかったとか。

加茂 私がいった時期なのですが、今年は4月5月とミラノがとても寒くて、10度いかない日もあって。春服と夏服しかもっていかなかったので、初日に「寒いよ」と言われたんですが、、、。みんなダウンを着ているくらいの感じで。
-それはどうしたんですか?

加茂 貸して頂きました。ほんとにいい人ですよね。それで過ごしました。それくらいかな。
あとは現地で買えるものなので、たぶん大丈夫だと思います。
携帯も同居人の方が一緒に買いにいってくれたので困らなかったし。
-気温はチェックした方がいいと。

加茂 イタリア人の方もよく言ってたのですが、「こんなのありえない」というくらい今年の寒さは珍しいらしいんです。毎日雨で。日本は湿気でモワモワしますけど、あっちは雨が降ると一気に寒くなるんですよ。雨女じゃないかなというくらい(笑)
最初、本当に晴れなくて、どこにもでかけられなくて。ちょっと晴れたなと思うと、私がどこかにでかけたい土日に雨が降るとか、最悪な感じでした(笑)
でも6月に入ってからは暑くて、半袖やノースリーブで過ごせたのでよかったのですが。
-今回向こうにいってよかったなと思った瞬間は?

加茂 音楽に関してもですが、音楽以外で、自分は一人で海外に行くのも初めてだし、全部一人でやらなければならないし、言葉も通じないし、そういう面で自分が成長できたなと思います。海外で言葉も通じない中で、どうしたらこうなるとか自分で考えるし、言葉が通じないからもっと語学をがんばらなきゃという意識も高まるし。音楽だけじゃなくて一人でいくことで成長できたなと思います。
-音楽面では?

加茂 ロセッラ先生に出会えたことです。12月にロセッラ先生が日本にくるのですが、その時にレッスンをしていただけることになって。あとは行ってみてたくさんの音楽家の方々に出会って、自分の視野も広がりました。
行ってみなければ視野が広がることはなかったし、行ってみて色々と考えが変わりました。
-日本と向こうとで違う点は?

加茂 たくさんあります(笑)。
-人とかはどうですか?

加茂 あっちに行ってみて、日本人て冷たいかもと思いました。普通に歩いている分には変わらないのですが、ちょっと道を聞いたりするとすごくやさしいし、スーパーとかでも何か聞いたら一緒に探してくれたり、みんな優しいって感じました。
家の近くのバールも、日本人がよく行くから日本語で「コンニチハ」と挨拶してくれるのですが(笑)、全然言葉がしゃべれない時でも、「あ、これね」といってわかってくれたり。
あとは、私はカフェで勉強したいと思っていたんです。日本でもスタバとかそうですよね。ですが向こうでは、できなかったです。カフェで勉強している人がいない。お昼ご飯を食べる以外で座っている人があまりいないんです。立って飲んでるから、1分くらいで帰っていくか、長くても店員さんと話して10分くらいで帰っていくとか。勉強している人がまずいなくて。なので家で勉強しました。そこがビックリしました。
語学学校もみんな淡々としていて、授業が終わる1分前からまだ先生がしゃべっているのに片付けをしはじめて、終わった瞬間に「チャオ~」といってみんな帰っていくんですよ。もうちょっと落ち着こうよ!というくらいに(笑)
-その人たちはイタリア人ではなく?

加茂 はい。ヨーロッパの方がほとんどでした。
-終わった後におしゃべりして、みたいのは?

加茂 ないんですよ(笑)。でもみんな語学学校に通っている理由が、旦那さんが出張になって通っている人が一人、仕事の休みで暇だからイタリア語を習ってみたという人が二人、あとは恋人がイタリアに仕事があるからついてきちゃったとか。みんなそこまで必要としてない感じで、ヨーロッパということもあってけっこう語学ができているし、そこまで勉強しなくてもパパッとできちゃうんですよ。。。
-今後留学しようと思っている人たちに、アドバイスがあれば。

加茂 私も最初行くまでに悩んで、一人だから不安なこともたくさんだと思ったのですが、アンドビジョンさんを利用してプランを組み立ててもらったので、安心して行けました。アンドビジョンさんに頼めば大丈夫だと思うし、安心できます!行ってみないと分からないことがあるから、とりあえず1週間でも、実際に現地に行ってみることが大事だなと思います。
-事前に準備しておいた方がいいことはありますか?

加茂 語学というしかないかな。あとは英語を話せる方なら大丈夫だと思うのですが、英語も話せずイタリア語をこれから習うという方は、例えば危険な時に言える言葉を覚えておいた方がいいとか、道を聞くのとか、何かを聞くことは覚えておいた方がいいと思います。向こうで使えるので。結構似た道が多いんです。ここさっき通ったよな?と思っても、道の名前が違っていたり。だから聞いた方が全然早いので、そういう場合のために。語学力がなくてもそれを覚えておくといいかなと。
-今後のご予定は?

加茂 とりあえず1年以内にはあっちに戻りたいなと思っています。あと日本で演奏活動が実家の新潟の方で何個かあるので、それをやって、年明けに行けたらと思うのですが。

第10回真夏のコンサート
新発田市生涯学習センターでは、市民の皆様が気軽にクラシック音楽などを楽しんでいただけるよう、マイタウンコンサートを開催しています。今回は、 下越地区の若い音楽家を中心とする第10回真夏のコンサートをお届けします。是非、夏の夜空に響きわたる素晴らしい演奏をお楽しみください。
 主な曲は、バッハ「幻想曲とフーガ」、アルカン「グランド・ソナタ」、ショパン「バラード第4番」ほかです。
開催日  8月25日(日)
会 場  生涯学習センター講堂(定員は300人)
開 場  午後1時
開 演  午後1時30分 (4時30分終了予定)
入場料  800円
*入場券は7月1日から生涯学習センター窓口で発売しております。
*問合せ先 新発田市生涯学習センター
      電話 0254-26-7191
http://www.city.shibata.niigata.jp/view.rbz?nd=1619&ik=1&pnp=1615&pnp=1619&cd=13546
 
-今日はどうもありがとうございました。
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